there it is
There It Is / James Brown
 Polydor '72 

ブーツィーら脱退後も『Hot Pants』『Revolution Of The Mind』といった傑作を連発し、依然好調をキープしていたJBだが、本作『There It Is』あたりからやや翳りが見え始める。
ファンクは相変わらずのクオリティで、特にタイトル曲「There It Is」は、掻き毟るようなワウ・ギター、クールなホーン・セクションがイカす驚愕のへヴィー・ファンク。ゴツゴツしたグルーヴのファンキー・ソウル「I'm A Greedy Man」もまずまず。ブーツィー在籍時の録音となる「Talkin' Loud And Sayin' Nothing」は太くウネるグルーヴが強力。
一方で、非ファンク曲には迷走が見られ始める。「King Heroin」はJB's『Food For Thought』にも収録されているが、こちらはJBのモノローグ入り。この曲や「Never Can Say Goodbye」のようなブラックスプロイ調はまだ聴けるが、「Who Am I」や「Public Enemy」のような単調なスロウは退屈。