shes strange
She's Strange / Cameo
 Atlanta Artists '84 

82年の『Alligator Woman』以降、バンド・メンバーを削減し、人力ファンク・グルーヴから80年代的な打ち込みサウンドへと移行していったキャメオが、その路線を更に一歩推し進めたのが84年の本作『She's Strange』。
この83~84年頃というのは、ファンクに限らずブラック・ミュージックは一気にエレクトリック化し、リズムが軽くなってしまった時期だが、キャメオも例外でなく、前作『Style』と比べても本作や次作『Single Life』は軽く物足りない。ただそこは策士ラリー・ブラックモン、軽い打ち込みのビートを上手く使って成功した曲も本作には収められている。
その最たる例が、タイトル曲の「She's Strange」。無機質なドラム・プログラミングとクールに進行するベースが、不思議な浮遊感を湛えたグルーヴを生み出し、そこに淡々としたラップが乗るエレクトロ・ファンク。サウンド的には確かに軽いのに、全体の印象としてはゴリゴリにヘヴィーなミッド・ファンクという凄い曲。また、「Love You Anyway」は、途中ベンソンばりのギターとスキャットのユニゾンまで繰り出すジャジーなメロウ・ミディアムで、これも非常に良い曲。本作ではこの2曲が突出していて、その他はミドルの「Groove With You」、メロウな「Hangin Downtown」あたりは及第点だが、問題は残る3曲。
この頃のラリーは、自分たちの音楽を"ブラック・ロックンロール"と称していたこともあり、「Talkin' Out The Side Of Your Neck」はその路線を象徴するような派手でロッキッシュな曲だが、これはまったく面白くない。レゲエ調の「Tribute To Bob Marley」は表面的な模倣に終わっている。この曲のようなワールド・ミュージック的な志向は、本作以降度々出てくるが、そんなものはキャメオには望んでいない。「Le Ve Toi!」もダサいとしか言いようがない駄曲。