first impressions
First Impressions / Impressions
 Curtom '75 

シカゴの名門ヴォーカル・グループ、インプレッションズ。
70年にカーティス・メイフィールドがソロ転向に伴い脱けた後、リロイ・ハトソンを迎えてアルバム2枚制作するも、ハトソンもソロ・キャリアを拓くべくグループを脱退。75年の本作『First Impressions』は、フレッド・キャッシュ、サム・グッデンの古参2名に、レジー・トリアン、ラルフ・ジョンソンを加えたカルテット編成。
カーティス在籍の60年代末からハトソン期の70年代前半は、時節柄ニュー・ソウル色の濃い作風に傾倒していたが、ニュー・ソウル運動も下火となった70年代半ばには、よりオーセンティックなスタイルへと回帰。メイン・プロデューサーは、マーヴィン・ゲイ『Let's Get It On』を手掛けたエド・タウンゼント、アレンジはシカゴの名匠リッチ・テューフォとレネ・ホールという体制で制作された本作、シカゴのグループらしいジェントルでメロウなソウル・アルバムに仕上がっている。
まず何と言っても、アルバム・オープナーの「Sooner Or Later」が素晴らしい。ミディアムで気持ちよく揺れる極上メロウ・ソウル。他にもミディアム系のイイ曲が多く、オルガンがアーシーに響く「Same Thing It Took」、地味渋グルーヴの「Old Before My Time」、ヴォーカル・グループとしての魅力溢れる「First Impressions」、軽快にグルーヴするその名も「Groove」、流麗なミディアム・スロウ「How High Is High」、粘っこいリズムの「Why Must A Love Song Be A Sad Song」など、シカゴ・ソウルの粋を感じさせる良質な作品。