food for funk
Food For Funk / J.B.'s
 P-Vine '90 

本作はJB'sをはじめとするピープル・レーベルのシングル曲をコンパイルしたアルバム。
JB's「All Aboard The Funky Soul Train」以外の曲は、オリジナル・アルバム未収録のシングル・オンリー曲。JB's周辺音源の決定版2CD『Funky Good Time:The Anthology』や、72年にフレッド・ウェズリー主導で制作されリリースが予定されながらもお蔵入りとなった幻のアルバムを発掘リリースした『The Lost Album』と、収録曲の多くが被っているが、おそらく本作でしか聴けない曲もあるので侮れない。
ユルいノリでジワジワとグルーヴするミッド・ファンクのJB's「Givin' Up Food For Funk」は72年のシングルで、この曲は文句無くカッコいい。フレッド・ウェズリー&J.B.'s名義での73年のシングル、オージェイズ「Back Stabbers」とハービー・ハンコックのカバー「Watermelon Man」は、ヒット曲の安直なカバーに終わらないJBスタイルのファンキー解釈は、フレッドの才覚を改めて感じさせる。74年のメイシオ&ザ・マックス「Cross The Tracks」はシンセのピーポー音が耳にこびり付いて離れないナイス・ファンクで、コレを何故『Us』に入れなかったのかと思う。75年のメイシオ「Future Shock」はカーティス・メイフィールドのカバーだが、原曲のモッサリしたノリのファンクとはかなり印象が異なり、クレジットを見なければカーティスのアノ曲のカバーとは気付かないだろう。
これらは『Funky Good Time』もしくは『The Lost Album』でも聴くことが出来るが、残りはおそらく本作でしか聴けない。71年のフレイムズ「Stand Up Be Counted」は、フェイマス・フレイムズの再現を目論んだヴォーカル・グループ・スタイルのファンキー・ソウル。同じく71年の「My Lonely Hour」はよりオーソドックスなソウル・ナンバー。スウィート・チャールズの3曲はいずれも74年のシングル。スウィート&メロウな「I Won't Last A Day Without You」、イナタくユルいファンキー「Hang Out And Hustle」、オハイオ・プレイヤーズのカバー「Together」と、チャールズの歌は弱いがそれなりに楽しめる。フレッド・ウェズリー&JB's73年のシングル「Doing It To Death」のB面曲「Everybody Got Soul」は、「Doing It To Death」パート2的な曲。