across 110th street
Across 110th Street / Bobby Womack , J.J. Johnson
 United Artists '72 

『Communication』『Understanding』と、ニュー・ソウルやファンクに接近した作品をリリースしていたボビー・ウォマックが、アイザック・ヘイズやカーティス・メイフィールドに続いてブラックスプロイテーション映画のサウンド・トラックを手掛けたのが本作『Across 110th Street』。
とは言っても、純然たるウォマックの作品と言い切り難い本作、ウォマックのヴォーカル入りの曲と、JJジョンソンがスコア用にアレンジしたインスト・ヴァージョンという構成。水増し感も無くはないが、それでも本作は『Superfly』や『Shaft In Africa』に並ぶ傑作サントラ。ブラックスプロイテーション感横溢のビッグ・バンド・ジャズ・ファンク/ソウルに、ウォマックのディープな塩辛ヴォーカルが効いている。クレジットがボビー・ウォマック&ピースとなっているのも時代の気分。
まずは映画のテーマとなる「Across 110th Street」が素晴らしい。ドラマティックで映像的なサウンド、男の哀愁滲みまくるウォマックのディープ・シンギングに鷲掴みにされる。「If You Don't Want My Love」は『Communication』収録曲だが、ここではテンポを落としアコギを爪弾きながら歌う。アコギとエレピが爽快グルーヴィーに疾走する「Quicksand」、へヴィーなファンク・ナンバーの「Do It Right」、南部っぽいスワンプ感覚も生きた「Hang On In There」もファンキーで良い。
「Across 110h Street」「Hang On In There」のJJジョンソン・ヴァージョンは、よりチェイス感を増したサントラ然としたビッグ・バンド・ジャズ・ファンク。クラヴィネットがワシャワシャと軋むファンキーなインスト「Harlem Clavinette」もカッコいい。