all the faces
All The Faces Of Buddy Miles / Buddy Miles
 Columbia '74 

ジミ・ヘンドリクスのバンド・オブ・ジプシーズのドラマーとして有名なバディ・マイルス。
ジプシーズ以降はソロ・アルバムを数枚リリース。またPファンク絡みではファンカデリック「Comin' Round The Mountain」でドラムを叩いているらしい。
今のところ、マイルスのソロ作で聴いたのはこの『All The Faces Of Buddy Miles』だけ。彼の経歴からはゴリゴリのファンク・ロックを本作に期待してしまうが、コレがメロウ&グルーヴィーな良質なソウル・アルバムという嬉しい誤算。他のソロ作を聴いていないので何とも言えないが、おそらくコレは彼にとっても異色作。プロデュースはジョニー・ブリストルで、まさにあの70年代半ばのジョニー・ブリストル・サウンドが展開される。バッキングの面子はジェイムス・ジェマーソン、エド・グリーン、ワー・ワー・ワトソン、レイ・パーカーJr、ジェリー・ピータースら。マイルスの歌もどこかブリストルっぽい感じ。
まったりミディアム・ソウルの「Pull Yourself Together」、ジワジワと昂揚する典型的なブリストル節の「We Got Love」、メロウ・バラードの「All The Faces」、心弾むシャッフル調の「I'm Just A Kiss Away」、ポピュラー調のバラード「It's Only The Good Times」、これまたブリストル印の気持ちいいメロウ・グルーヴ「Got To Find Ms. Right」、哀愁メロウ・スロウの「Pain」、ファンキーなミディアム・グルーヴ「Kiss And Run」、クールなグルーヴィー・ソウル「Wants And Needs(The Earth Song)」、ファンキーなインスト・ナンバー「Baby Don't Stop(Sit On The Rock)」と、ニュー・ソウルやジョニー・ブリストル作品が好きなら間違いなく楽しめる好盤。