goldnigga
Goldnigga / N.P.G.
 NPG '93 

ヒップホップをいかにバンド・サウンドに取り込んでいくか、ということが90年代前半のプリンスのテーマ。
新たに編成したバック・バンド=ニュー・パワー・ジェネレーションは、専属ラッパーをメンバーに加え、分厚いビートとバンド・サウンドで、80年代よりもヒップホップ/ファンク色を増したアルバム『Diamonds And Pearls』『Love Symbol』をリリース。しかしこの試みは必ずしも成功したとは言い難く、異様にアッパーでテンションの高い張り詰めたようなサウンドは、グルーヴが自在に泳ぐスペースが無く、気忙しく余裕のなさを感じた。
本作はそのバック・バンド、NPG名義での1stアルバムとなる『Goldnigga』。プリンスのクレジットは無いものの、例によって作曲・演奏・プロデュースに大きく関わっていると思われる。基本的には『Diamonds And Pearls』や『Love Symbol』の路線のサウンドだが、自身名義でのリリースでないスピンオフ的な企画であること、プリンスのヴォーカルがほとんど聴かれないことから、先のアルバムのような肩肘張った感じは薄らいでいて、どこかリラックスした風情のジャム・セッションといった雰囲気。いわば、70年代のJBに対するJB'sのアルバムのようなもので、主役よりもむしろバンドのアルバムの方が良く思えるのも同じ。トニーMのラップは凡庸で魅力を感じないが、ジャズ・ファンクとヒップホップを基調としたバック・トラックはなかなかカッコいい。
アルバムのテーマとなるルーズなジャズ・ファンク・ジャム「Goldnigga Pt.1」からスタート。続く「Guess Who's Knockin'」は1stプレス盤のみに収録されたグルーヴィーなジャズ・ファンク。ホーン・セクションがカッコいい「Oilcan」は短いインタールド。ヒップホップ・ミーツ・ジャズファンクといった感じの「Deuce & A Quarter」、テンション高い「Black M.F. In The House」、「Goldnigga Pt.2」を挟んで、「Goldie's Parade」はへヴィーなファンク・ビートに乗るジャジーなギターが気持ちいい。路地裏系哀愁ミッド・グルーヴの「2gether」、JB's調のファンクをNPG色に染めた「Call The Law」、本作中唯一プリンスらしきラップが聴ける長尺ミッド・ファンク「Johnny」、ラストは三度登場の「Goldnigga Pt.3」でクロージング。