united
United / Marvin Gaye & Tammi Terrell
 Tamla '67 

モータウンの若きスター、マーヴィン・ゲイと、JBレヴューでキャリアを積んだ実力とチャーミングさを兼ね備えた女性シンガー、タミー・テレル。この2人のデュエット・アルバムは60年代後半に3枚作られているが、特に本作『United』と『You're All I Need』は、男女ソウル・デュオの理想型と言える名作。
ハードなシャウターとして鳴らした60年代のマーヴィンだが、ここではその荒々しさ、男っぽさの奥にジェントルな眼差しを湛える。可憐さとアーシーさが同居するタミーのヴォーカルのマーヴィンとの相性はピッタリ。プロデュースはハーヴィー・フークワとジョニー・ブリストル、またフークワとブリストルの他、アシュフォード&シンプソンも作家陣に加わり書き下ろした曲はまさに珠玉。若い黒人カップルの恋愛模様を映し出した名曲の数々はウキウキとした昂揚感に溢れているが、タミーの悲劇的な最期を知っているからか、どこか物悲しい陰影を感じさせたりもする。
アルバムの1曲目「Ain't No Mountain High Enough」のマーヴィンの歌い出し"Listen Baby"からもう鳥肌。二人のコンビネーションも抜群な、素晴らしく昂揚感に溢れたアシュフォード&シンプソン渾身のエヴァーグリーンな名曲で、何か心の奥底から熱いものが込み上げてくる。その他「You Got What It Takes」「If I Could Build My Whole Around You」「Hold Me Oh My Darling」「Sad Wedding」「Give A Little Love」など名曲名唱の連続。なかでも、これもアシュフォード&シンプソンのペンによるR&Bバラード「Your Precious Love」、マーヴィン自作のバラード「If This World Were Mine」は50年近く経った今も色褪せない逸品。