ghetto symphony
The Ghetto Symphony / Geno Young
 Native '04 

ジーノ・ヤングはテキサス出身のネオ・ソウル系アーティスト。
名門ハワード大卒後、エリカ・バドゥ『Mama's Gun』への参加などを経て、本作『The Ghetto Symphony』でデビュー(写真はPヴァイン盤のジャケット)。2010年には2ndアルバムを発表しているようだが、どうやらフィジカルでのリリースはされていない模様で、そちらは未聴。
本作は、ディアンジェロ以降のジャジーでドープなネオ・ソウル・サウンド、濡れたローズが纏わりつくメロウネスが気持ちいい快作。この手の音は当時食傷気味で、ネオ・ソウル系の作品はあまり熱心にチェックしなくなっていたのだが、数多のネオ・ソウル・アルバムと一線を画する南部らしいアーシーな臭いも漂う本作は、当時から気に入ってよく聴いていた。
冒頭の「Introlude」から雰囲気たっぷりにスタート、くぐもったスモーキーなムードのスロー・グルーヴ「Throw Your Hands(Ode To Responsible Hip-Hop)」、玉のようなローズが転がる瑞々しいエレクトロニック・グルーヴ「She Won't Talk To Me」、黒いグルーヴを軸にメロウなウワモノが浮遊するアーバンなミドル「Honeydew」、ネオ・ソウル仕立てのジョージ・ベンソンのカバー「Broadway」、甘い雰囲気のメロウ・グルーヴ「I Really Do(For real!)」、ヒタヒタと忍び寄るミッドナイト・グルーヴ「Let's Lay Down」、ファンクネス滲む漆黒のグルーヴがイカすキッパー・ジョーンズ絡みのベスト・トラック「Man With Nothing To Lose」、ライヴ感溢れるジャズ・ファンクに仕立てた「Broadway Live(At The Corner Of Camp Wisdom)」、ドープなベース・ラインとタメの効いたドラムスが絡むオーガニック・グルーヴ「Do What You Do」、ディアンジェロ「Untitled(How Does It Feel)」のあの焦らすようなリズムを思わせるスロウ「I Get So Wrapped Up In You」、ピアノ弾き語りバラード「Was It A Love Song(Ramp)」、ラストはアコギの弦の擦れる音も生々しいオーガニック・ソウル「Love Beyond Compare」。
Pヴァイン盤はファンキーな「Condition」をボーナス・トラックとして追加収録。