black caucus
The Black Caucus Concert
 Chess '75 

黒人議員連盟を支援するために、74年に催されたベネフィット・コンサートのライヴ盤。
収録は5曲のみだが、カーティス・メイフィールド、クール&ザ・ギャングなど、なかなか豪華なラインナップで聴き応えは十分。アルバム全編に渡って濃密なブラックネスが滴る、当時のニュー・ソウル/ファンクの熱と勢いを捉えた好盤。
クール&ザ・ギャングはファンク・ナンバーではなく、アフロ・ジャズ・インストの「Wild And Peaceful」。13分に渡って繰り広げられる漆黒のジャジー・グルーヴは、このバンドの出自がどこにあるかを知らしめる。
カーティスは『Superfly』から、狂おしいまでのメロウネスと恍惚に満ちたグルーヴィー・チューン「Give Me Your Love」を披露。ここでは、絡みつくワウ・ギターとネットリしたファルセットで、オリジナルよりもファンキーなグルーヴを聴かせる。
グラディス・ナイト&ザ・ピップスは、カーティスがプロデュースを手がけた『Claudene』のサントラから「On And On」。カーティス作らしいグルーヴィーなファンク・チューンで、グラディスのヴォーカルも堪らなくソウルフル。
ウォーは『Deliver The Word』から「Gypsy Man」。16分にも及ぶ、砂埃巻き上げる乾いた哀愁ファンク・チューンで、ラテン/ロック/ジャズまで呑み込んだ鉄の胃袋を持つ雑食性と、高度な演奏能力に裏打ちされた洗練を見せつける。曲の終盤で演奏が「Cisco Kid」にスイッチしたところでフェード・アウトとは勿体ない。
本作中では異色となる、ブルース・シンガーのジミー・ウィザースプーン「Goin' Down Slow」はソウルフルなスロー・ブルーズ。