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The Vault... Old Friends 4 Sale / Prince
 Warner Bros. '99 

2日間で完成させた急造作『Chaos And Disorder』でワーナーとの契約枚数を消化し終えたと思っていた、だからこその96年の『Emancipation』だったハズなのだが、何故か99年になってワーナーから出た未発表曲集。どうやら、本来は『Chaos And Disorder』と同時期に出す予定であったものの、ワーナー側の事情によりリリースに待ったが掛かっていたというのが真相のよう。
本作には、マイケルB、ソニーTなどのNPGメンバーがクレジットされていることから、90年代前半に録音されたものが中心と思われるが、シーラEやエンジニアのスーザン・ロジャースらの名前もあるので、80年代の音源も含まれていそう。ここにはファンキーな楽曲は収録されておらず、ジャジーなムードがアルバム全編を覆っているのが特徴。玉石混交ではあるが、無視できない良曲もあり、ファンであれば十分楽しめる作品集。
ジャジーなピアノが軽快に弾む「The Rest Of My Life」、これもジャズっぽいポップ・ソング「It's About That Walk」、メロウで不思議なグルーヴの「She Spoke 2 Me」は、後半ジャジーなジャム・セッションに展開。ここまでの頭3曲はオリジナル・アルバムに入っていてもおかしくない出来で、特に「She Spoke 2 Me」は名曲。
ジョー・コッカーに提供した曲のセルフ・カバーだという「5 Women+」は渋めのブルーズ・ナンバー。パーカッションの響きが生々しい「When The Lights Go Down」も個人的には好きな曲。やたら短い「My Little Pill」、暗いムードのバラード「There Is Lonely」あたりはあまり面白くない。その他、85年頃の録音だと言われるバラード「Old Friends 4 Sale」、ポップ・ロックな「Sarah」、「Slow Love」系のムーディーなスロウ「Extraordinary」など、佳曲多し。