who is this bitch anyway
Who Is This Bitch, Anyway? / Marlena Shaw
 Blue Note '75 

60年代末にチェス傘下のカデットからレコード・デビューしたソウル/ジャズ・シンガー、マリーナ・ショウ。
そのカデットから出た『The Spice Of Life』も傑作だが、マリーナの代表作と言えば、75年にブルー・ノートからリリースした、宇宙人みたいなインパクト大なジャケットでもお馴染みの、ソウル・ジャズ大定番アルバムである本作『Who Is This Bitch, Anyway?』。
チャック・レイニー、デイヴィッド・T・ウォーカー、ラリー・カールトン、ハーヴィー・メイソン、ラリー・ナッシュら、当時のソウル・ジャズ系のレコーディング・セッションで引く手数多の名手たちによる、ファンキーでグルーヴィー、かつジャジーでメロウな演奏をバックに、マリーナのクラブ歌手風情の肝の据わったヴォーカルがキマる名曲揃い。
3分に渡って繰り広げられるバーでの男女の会話から、スルリと演奏に滑り込む「Street Walkin' Woman」は、スリリングでグルーヴィーなジャズ・ファンク・ナンバーで、これは最高にカッコいいアルバムのオープニング。桑田某の某曲の元ネタとしても有名な「You Taught Me How To Speak In Love」、マリーナ自作の「You」、バーナード・イグナー作の「Davy」といったバラードも良曲揃い。イグナーは他にも、しっとりとグルーヴするミディアム・ジャジー・ソウル「You Been Away Too Long」「Loving You Was Like A Party」、シャッフル調の「Rose Marie(Mon Cherie)」の計4曲を提供するなど、本作における貢献度大。個人的な本作のハイライトは、ロバータ・フラックのヒット曲のカバー「Feel Like Makin' Love」。これは数多あるこの曲のカバーの中でも随一の出来。