fiyo on the bayou
Fiyo On The Bayou / Neville Brothers
  A&M '81 

78年のミーターズ解散後、アートとシリルは、アーロンとチャールズとともに兄弟バンド、ネヴィル・ブラザーズを結成。本作『Fiyo On The Bayou』は彼らの2ndアルバムにあたる。
ネヴィル・ブラザーズをミーターズの後継バンドと見るのは無理がある。ジガブー&ポーターの強力なリズム隊あってのミーターズであって、彼らのいないネヴィルズは最早別のバンドであり、本作にあの泥臭くウネるニューオリンズ・ファンクを期待するのは筋違い。U2『Joshua Tree』のプロデューサー、ダニエル・ラノワが独特な空間処理を施した89年作『Yellow Moon』あたりから、ネヴィルズはロック/ポップへとクロスオーバーした世界戦略に打って出るが、外に開かれた柔軟な音楽性は既に本作の時点でもはっきりと見て取れる。
本作で注目はやはり2曲あるミーターズのカバー。「Hey Pocky Way」はオリジナルの土着ノリのセカンドライン・ファンクに比べると、随分とポップで軽い。「Fire On The Bayou」も、ジリジリと焚き付けるようなファンクネスのミーターズ・ヴァージョンと比較すると分が悪い。が、ニューオリンズ音楽への入り口としては丁度良い敷居の低さ。
グルーヴィーなダンス・ナンバー「Sweet Honey Dripper」、ニューオリンズから汎カリブ/レゲエにまで手を伸ばした「Brother John / Iko Iko」「Run Joe」といった曲もあり、音楽的な間口はかなり広い。
アーロンの、凶悪な人相に似合わないヨーデル歌唱は好みの分かれるところで、個人的にも良いと思ったことはないのだが、本作中のアーロンがリードを取るポピュラー然としたバラード曲はちっとも面白くない。