jill jones
Jill Jones
 Paisley Park '87 

82年の『1999』からJ.J.の名前でクレジット、「1999」のPVでリサと一緒に思わせぶりにキーボードを弾いてた妖艶なブロンド女性、そして「Lady Cab Driver」その人である、ジル・ジョーンズ。
ヴァニティやらアポロニアやら、他のお色気要員(失礼)がリーダー作を先にリリースするのを横目に見ながら、5年の下積みを経て満を持してリリースしたソロ・アルバムが本作。結果的に、87年というプリンス全盛期のプロダクションを得た本作は、当然ながら『Sign Of The Times』と共通するムードも持つ、ファンからの評価も高い人気作。
アルバム全8曲中、プリンスの2ndアルバム収録の「With You」のカバーを除く7曲をジルが自作(うち4曲はジルとプリンスの共作)と、意外な才能を見せる。プロデュースはデイヴィッドZとジルで、3曲でコ・プロデュースにプリンスとなっているが、演奏も含めプリンスが大幅に関与していることは疑いない。ジルは、ソウルフルな妙味はほとんどない、白っぽいヴォーカルで、シンガーとしては特筆すべきところはないが、それが反って素材を選ばない殿下の才能の凄味を感じさせたりも。
アルバムのオープニング・トラック「Mia Bocca」は、ストリングスを誂えたオリエンタルなムードもあるファンキーなミドルで、いかにもこの頃のプリンスらしいナンバー。タイトルからしてプリンス的な「G-Spot」は、妖しげなムードの殿下汁滴るキーボード・ファンクで最高。「Violet Blue」は、ビートは重厚なへヴィー・ファンクで、サックスが都会的な雰囲気を醸す、コレもカッコいい曲。レヴォリューションによる演奏とされる「All Day, All Night」は、「Baby I'm A Star」を改変したような曲で、80年代前半の紫煙立ち込める匂いがする。ジルが低めの声でドスを効かせるファンク・トラック「For Love」も、プリンス・ファンには抗えない魅力あり。
「With You」は原曲に忠実なカバーだが、ここでのドラムスはスティーヴ・ガッド、ギターはヒュー・マクラッケンといった著名スタジオ・ミュージシャンを起用。「Baby,You're A Trip」はジャジーな雰囲気もあるバラードで悪くない。