free your mind
Free Your Mind... And Your Ass Will Follow / Funkadelic
 Westbound '70 

ファンカデリックのアルバムの中でも、普通のファンク/ソウル・ファンにとって最もハードルが高いと思われる2ndアルバム『Free Your Mind... And Your Ass Will Follow』。
何でも、ドラッグでラリってる短時間の間に録音したという本作、聴こえてくるサウンドもグシャグシャにサイケデリックで、強烈なアシッド臭を放っている。エディー・ヘイゼルのギトギトにヌメりながらへヴィーにのたうつギターを中心にしたブラック・ファンク・ロック・サウンドは、ソウル耳には刺激が強過ぎる。Pファンク・フリークを自認する自分も、本作は年に1回聴くかどうかのアルバムだが、ひとたび聴けば強烈な余韻を引きずる。
アルバム1曲目のタイトル曲「Free Your Mind And Your Ass Will Follow」から相当ヤバい。ギターもベースもキーボードもノイジーで歪みまくっているが、グルーヴは途轍もなくドス黒い。「Friday Night, August 14th」は激しいハード・ロック・ナンバーで、ビリー・ベース・ネルソンがリード・ヴォーカルを取る。珍しくタル・ロスが歌う「Funky Dollar Bill」は、強烈な悪臭を放つブラック・ロック・ファンク・ブギー。「I Wanna Know If It's Good To You」は、エディーのギターとバーニーのキーボードがグシャグシャに絡みつきながら宇宙の果てまでトリップする。土臭さよりもアシッド臭さが鼻につくブルース「Some More」、テープの逆回転にクリントンの語りが乗る「Eulogy And Light」と、とにもかくにもインパクト甚大なアルバム。