thriller
Thriller! / Cold Blood
 Reprise '73 

ベイエリアの大型白人ファンク・バンド、コールド・ブラッドの4thアルバム『Thriller!』。
ブルージーな1st、ラテン・ファンク/ロックな2ndと来て、3rdアルバム『First Taste Of Sin』ではダニー・ハサウェイをプロデューサーに迎えニュー・ソウルに接近。ラテン味は残しつつも、より黒いファンク・グルーヴが息衝いた傑作だった。続く本作は1stと同じデイヴィッド・ルビンソンのプロデュースだが、基本的には前作と同路線のベイエリア・ファンク/ソウル・アルバムで、前作と並んでこのバンドの代表作。
ユルいギターのカッティングに導かれてスタートするオープニング・ナンバー「Baby I Love You」は、グルーヴィーにリズムを刻むドラムス&ベース、ファンキーに蠢くクラヴィネット、分厚いホーン・セクション、ソウルフルなヴォーカルが一体となったタイトなベイエリア・ファンク。
スティーヴィー・ワンダーの大ヒット曲カバー「You Are The Sunshine Of My Life」は、原曲に忠実なボッサ調のメロウ・ソウルだが、中盤以降のサルサ的なグルーヴィーな展開が何とも気持ちいい。スロー・テンポの泥臭いリズムから、後半ホーンズが盛り上げるファンク・ナンバー「Feel So Bad」、「Sleeping」はやや大仰だがドラマティックなバラード。シャッフル調の「Live Your Dream」、ボズ・スキャッグス「I'll Be Long Gone」のカバーは、サザン・ソウル仕立てのスロウ。
アルバム・ラストはビル・ウィザーズの傑作ファンク・ナンバー「Kissing My Love」のカバー。擽るようなワウ・ギター、タメの効いたドラムスがカッコいい、オリジナルと比べても遜色のない傑作ファンク・チューン。