a quiet storm
A Quiet Storm / Smokey Robinson
 Tamla '75 

スモーキー・ロビンソンは、自身のグループであるミラクルズや、テンプテーションズなどに数多の名曲を書いた、モータウン最大の功労者にして、スティーヴィー・ワンダーと並ぶ黒人音楽史上最高のソングライターの1人。また、青臭い甘さと程よい艶を感じさせるファルセットは、後の多くのファルセット・シンガーのお手本となったに違いない。
ミラクルズ脱退後も、精力的にソロ活動をしたスモーキーだが、本作『A Qiuet Storm』は彼の代表作にして大名盤。擬音も交えたメロウでスウィートな作風、軽快なグルーヴを伴ったソウル・ミュージック。クワイエット・ストームという言葉が、80年代にはアニタ・ベイカーなど、メロウなブラック・コンテンポラリーを指し示す言葉として使われるなど、本作の影響力は非常に大きい。
アルバムの幕開けとなる「Quiet Storm」から、メロウ&スウィートな世界が広がる。柔らかくグルーヴするベース、甘く蕩けるファルセット・ヴォイス、そしてムードいっぱいの風の音、素晴らしいスウィート・ソウル・ミュージック。まさにクワイエット・ストーム。
官能的なスウィート・スロウ「The Agony And The Ecstasy」、メロウなフルートとパーカッションが気持ちいいグルーヴィーな人気曲「Baby That's Backatcha」、感傷的なバラード「Wedding Song」「Happy(Love Theme From Lady Sings The Blues)」、ファンキーな「Love Letters」「Coincidentally」など、アルバム1枚どっぷりメロウに浸かる。