tasty jam
Tasty Jam / Fatback
 Spring '81 

70年代前半のストリート・ファンク路線から、70年代後半にはディスコ・ファンクへとシフトしていったファットバック・バンド。
もとより、パーティーを盛り上げるダンス・バンドが本分である彼ら、ディスコ・ファンクへと傾倒していったのはごく自然な流れだったと言えるのだろう。バンド名を短くファットバックとしたのは77年からだが、80年代に入るとディスコ・サウンドの衰退を受けて、ファットバックもへヴィーなファンク・サウンドへと路線修正。特にジャケットも最高な本作『Tasty Jam』は、全6曲すべてがファンク、しかもへヴィーで真っ黒なファンク・ナンバーがズラリと並んだ傑作。80年代らしいエレクトリックな質感はあるが、まだまだ全編ウネリまくる人力グルーヴで一気通貫。
アルバム1曲目のクールでゴツいファンク・ダンサー「Take It Any Way You Want It」から壮絶なカッコよさ。へヴィーなファンク・ビートを容赦なく繰り出すドラムス、ゴリゴリと迫りくるベース、打ち鳴らされるカウベル、シャープなホーン・セクションが一丸となって駆け抜ける超強力ファンク・チューン。
ウニョウニョと這いずるシンセが耳にこびり付くナスティー・ファンク「Wanna Dance(Keep Up The Dance)」、終始打ち鳴らされる単調な金属音が妙にクセになるファンク・ナンバー「Keep Your Fingers Out The Jam」、クールでヌメヌメした感じが堪らないファンク「Kool Whip」、粘着質なダンス・ファンク・チューン「High Steppin' Lady」、ギター・リフがイカすアーバン・ファンク・ダンサー「Get Ready For The Night」と、息つく暇もないファンク連弾に阿鼻叫喚。