just the way you like it
Just The Way You Like It / S.O.S. Band
 Tabu '84  

女性シンガー、メアリー・デイヴィスをフロントに据えたファンク/ソウル・バンド、S.O.S.バンドの5thアルバム『Just The Way You Like It』。
S.O.S.バンドと言えば、必然的にジミー・ジャム&テリー・ルイスという80年代最高のプロデューサー・チームの名仕事に触れないわけにはいかない。プリンスからザ・タイムのメンバーを解雇されたジャム&ルイスが、S.O.S.バンドと本格的に組むようになったのは前作『On The Rise』からで、ここから本作と次作『Sands Of Time』までの3作は、ジャム&ルイスとS.O.S.バンドが鉄壁のコラボレーションを見せた傑作揃い。
特に本作は、最もバランスの取れたバンドの代表作。TR-808による打ち込みビートとシンセを多用したサウンドは、分厚く塗り込めながらもしなやかさを失わず、この時代のR&B/ブラック・コンテンポラリー・サウンドをそのまま定義してしまうほどの完成度と影響力を誇った。
幻想的なムードも漂うミディアム/スロウ・ジャム「No One's Gonna Love You」、波音に導かれて澄みわたるようなサウンド・スケイプが広がる至高のメロウR&B・チューン「Weekend Girl」、ジャム&ルイスらしい808グルーヴに哀愁ヴォーカルが寄り添うミドル「Just The Way You Like It」と、ジャム&ルイスの美学が透徹された、このアルバム前半3曲の流れが素晴らしい。続く「Break Up」もジャム&ルイスのプロデュースだが、ここでは激しくビートを打ち込んだサイバーなファンクになっている。
後半の3曲はバンドのセルフ・プロデュースだが、ジャム&ルイスの曲と共通するムードで統一されていて、なかなか健闘している。ダイナミックなアンサンブルを聴かせるアーバンR&B「Feeling」、メロウな粒子が眩いスロウ・ジャム「I Don't Want Nobody Else」は聴きモノ。ラストの「Body Break」はファンクで悪くはないが、かなりスパイシーな感じで今聴くとちょっとツライかも。