Sinbad
Sinbad / Weldon Irvine
 RCA '76 

前々作『Cosmic Vortex』、前作『Spirit Man』と、スピリチュアルでアカデミックなジャズの語法と、デフォルメ感覚のエキセントリックなファンクネスを見事に結び付けた、コズミック・ジャズ・ファンクの傑作をモノにしたウェルドン・アーヴィン。RCAからの最終作となる本作『Sinbad』は、前2作とはかなり趣きが異なり、ソフトでメロウ、ポップ寄りのサウンド。前2作の方が良いのは間違いないが、気持ちいいグルーヴが揺蕩う本作も、やはり愛すべき作品。レア・グルーヴ/フリー・ソウル方面で人気なのも頷ける。
タイトル曲「Sinbad」はグルーヴィーでややディスコティークなジャズ・ファンク・チューン。スティーヴィー・ワンダーのカバー「Don't You Worry 'Bout A Thing」は原曲のブラジリアン・テイストは抑え目。マーヴィン・ゲイ「What's Going On」のカバーは、軽やかなメロウ・グルーヴ・サウンドが実に心地よい。盟友ドン・ブラックマンが曲を書きリード・ヴォーカルを取る「I Love You」は爽快グルーヴィーな極上メロウ・ソウル。
粘っこいグルーヴのファンク・ナンバー「Do Something For Yourself」、ラテン・ジャズ調のミディアム・ナンバー「Music Is The Key」、静謐なピアノ独演「Here's Where I Came In」、ラストの「Gospel Feeling」はポジティヴなムードに満たされるアップ・ナンバー。