the one giveth the count taketh away
The One Giveth, The Count Taketh Away / William Bootsy Collins
 Warner Bros. '82 

ブーツィーのリーダー作としては6作目となるアルバム『The One Giveth, The Count Taketh Away』、邦題『灼熱のP-ファンカー』。
前作『Ultra Wave』からソロ名義になっているが、ラバー・バンドの面々やPファンク本隊のメンバーのバック・アップは変わらず。前作の毒気のようなものは本作では薄れてはいるが、相変わらずのハイ・クオリティなファンク・チューンのオン・パレードで、アイディアも豊富で非常に楽しく飽きさせない。ポップでエレクトロな装いも、芯の部分は生のヘヴィー・ファンク・グルーヴが脈々と息づいている。ファンの人気も高く、かなりの傑作だと思うが、セールス面では奮わず、結果的にワーナーからの最終作となってしまった。以後、暫くの沈黙期間の後、ブーツィーが表舞台に帰還するのは6年後の『What's Bootsy Doin?』まで待たなくてはならなかった。
いきなりブーツィー・ヴォイスで雄叫びを上げる「Shine-O-Myte(Rag Popping)」から、ゴリゴリかつポップな強力ファンク・チューン。へヴィーなフックを搭載しつつ、展開部分は哀愁メロディで聴かせるファンク「Landshark(Just When You Thought It Was Safe)」、ダンサブルなビートにブーツィーのユニークな持ち味が生きた「Countracula(This One's For You)」、トーク・ボックス使いの王道Pファンク・チューン「#1 Funkateer」、「Excon(Of Love)」はブーツィーらしいネットリ糸を引く哀愁スロウ。
メイシオがMCにサックスに活躍するJB'sスタイルのファンク・ナンバー「So Nice You Name Him Twice」、アコギが効いたグルーヴィーなファンク「What's W-R-O-N-G Radio」、ポップでキュートで、ちょっぴり哀愁が滲むミディアム「Music To Smile By」、クールで余裕のカッコよさを見せつける「Play On Playboy」、エレクトロな質感に生っぽいグルーヴを絡ませた「Take A Lickin' And Keep On Kickin'」、ラストの「#1 Funkateer」のリプライズ「The Funky Funktioneer」まで、全曲最高。