generations
Generations / Kyle Jason
 Slamjamz '97 

カイル・ジェイソンは、いわゆる、“ディアンジェロ以降”の自作自演派アーティスト。
キーボードを弾きながら地声とファルセットをゆらゆらと行き来するヴォーカル・スタイルもディアンジェロ風。
しかし、チャックD主宰のレーベル、スラムジャムズからリリースした本デビュー作『Generations』は、ありがちなディアンジェロ・フォロワーに終わらない個性が光る傑作。
インタールドを除くと実質8曲とやや物足りないヴォリュームだが、うち3曲をブーツィー・コリンズがプロデュース、ベースにギター、ドラムスまで手がける手厚いバック・アップ。また、ブーツィーが関与していない曲でも、Pファンク一派としてキャリアを積んだアンプ・フィドラーと実兄バブス・フィドラーが参加するなど、非常に興味深い面子。
本作は、ニュー・クラシック・ソウル~ネオ・ソウルの系譜に位置する作品ではあるけれど、ハスラー的なクールでヤクザな佇まい、ファンク色強めのサウンドが異質な印象を与える。
クールでジャジーなマーヴィン・ゲイ調R&Bナンバー「Uptown」、ハスリンなファンク・トラック「Life Of A Hustler」、ブーツィーの喋りからスタートする「Hush」は、まんまブーツィーなトラックでベースもカッコ良し。セクシーなスロウ・ジャム「Butter Baby」、重いヒップホップ調のトラックにファルセットを流す「16 Stories」、最もPファンク色の濃い激カッコいいミッド・ファンク「Generations」、重厚な渋めのスロウ「When We Come Around」、ラストの「Butter Baby(Bonus Butter)」は、ミッドナイト感増量のトロトロ・スロウ・ジャムで、最もディアンジェロっぽい。