myron
Myron & The Works
 P-Vine '08 

自作自演派のネオ・ソウル系シンガー、マイロンの3rdアルバムとなる本作は、オーバーダブ無しの生バンドによる一発録りという異色作。
ミシェル・ンデゲオチェロ、ロバート・グラスパーといった凄腕を含むバンドは、少人数ならではのインティメイトの雰囲気に溢れたジャジーでグルーヴィーなソウル・ミュージック。派手さはないものの、生々しくしぶとい魅力を放つ、飽きのこない傑作。本作を聴いていると、ディアンジェロ『Voodoo』やスティーヴィー・ワンダー『Innervisions』、スライ『Fresh』なんかが頭をよぎるが、そんな偉大な作品を引き合いに出したくなるようなアルバム。
抑制されたグルーヴがジワジワとウネりを生むミッド・ファンク「Star」、クールで淡々としたグルーヴにまたもジワジワやられるミドル「Best Is Yet To Come」、人肌の温もりに包まれる「Beautiful Love」、オーガニックな哀愁ソウル「Message」、「Relax」は捻じれて浮遊するグルーヴが気持ちいいジャム。
涼やかな音色に心洗われるラヴ・ソング「That's How I Know」、ディアンジェロとタメを張るようなへヴィー・スロー・ファンク「Ball Of Clay」、メロウでブリージーな「You Are」、スティーヴィー調のムーグが気持ちいいグルーヴィー・ソウル「No More War」と、何度も繰り返し聴きたくなるスルメ盤。