soul survivor
Soul Survivor / Pete Rock
 Loud '98 

94年の『The Main Ingredient』をもってC.L.スムースとのコンビを解消したピート・ロックは、自主レーベル、ソウル・ブラザー・レコーズをエレクトラ傘下に設立。しかし、ピート全面プロデュースのINI『Center Of Attension』がお蔵入りとなるなど、レーベル運営は早晩行き詰まり、ソウル・ブラザーズ・レコーズは短命に終わる。
レーベルの終焉とともに、以降ピートの活動は停滞。『Center Of Attension』は超の付く傑作だっただけに、ピートの失意は相当なモノだったろう。すっかり過去の人となってしまったいた98年、再起をかけてようやくリリースした初のソロ・アルバムが本作『Soul Survivor』。
かつてのピート・ロック・サウンドのトレード・マークだったリッチなホーン・サンプルはここでは控えめだが、音の端々から黒い体臭が滲み出るようなファンクネス溢れる本作は、ピート・ロック健在を示すのに十分な傑作。ビートがプレミアっぽかったり、R&B的な曲があったりと、当時は批判的な声も一部で聞かれたように記憶しているが、個人的にはかなり好きな作品で、今聴いても十分にカッコいい。
インスペクター・デックとクラプトをフィーチャーした先行シングル「Tru Master」からマッシヴなファンクが炸裂。メソッドマンのクールなラップがイカす「Half Man Half Amazin」、OCがラップするハードな曲調の「Respect Mine」、ピートが1人でラップする「#1 Soul Brother」など、アルバム前半はファンクな曲で畳み掛ける。「Rock Steady Part Ⅱ」「Truly Yours 98」といったオールド・スクール賛歌もピート流にファンキーに料理。
アルバム後半はメロウでソウルフルな曲で固める、『The Main Ingredient』を思わせる構成。ブラック・ソートとロブOをフィーチャーした「It's About That Time」、MCエイト客演の「One Life To Live」と落ち着いたムードの渋い曲に続いて、「Take Your Time」はルース・エンズのカール・マッキントッシュと元ルース・エンズのジェーン・ユージンを迎えたR&Bライクなナンバー。カールが歌うルース・エンズ「Love Controversy Pt.1」のフレーズにグッとくる。女性ヴォーカルがヒート・ウェイヴ「Mind Blowing Decisions」を歌うジャジーR&Bな「Mind Blowin'」、タイトル曲「Soul Survivor」も女性シンガーをフィーチャーした曲で、このアルバム後半の流れは堪らん気持ちよさ。
C.L.とのリユニオンとなる「Da Two」は、流石の相性の良さを見せつける。殺伐としたムードの「Verbal Murder 2」や、ピアノ・ループが荒涼とした雰囲気を醸す「Strange Fruit」などは、それまでのピートには無かったタイプの曲。ラストの「Massive(Hold Tight)」はへヴィーDとビーニー・マンによるラガっぽい曲。