out of the blu
Out Of The Blu / Blu
 Motown '95 

トニ・トニ・トニは93年の3rdアルバム『Sons Of Soul』の後に活動が停滞。その間にメンバーは各々ソロ活動やプロデュース業に進出。95~96年の間に、ラファエル・サディークはソロ・シングル「Ask Of You」の他、ディアンジェロ「Lady」の共作、トータル「Kissing You」やオーティス&シュグのアルバムのプロデュースなど。ティモシー・クリスチャン・ライリーはまるでトニーズの弟分的な3人組、アートゥン・ソウルの『Touch Of Soul』を制作。
そしてドウェイン・ウィギンスのプロデュースで本作『Out Of The Blu』でデビューしたのが、ブルーことバイロン・ミッチェル。

主役のブルーは、ねっとり濃密なスロウから豪快に歌い飛ばすアップまで、確かな実力を感じさせるソウルフルな歌唱はジョニー・ギルあたりを思わせるが、それをしっかりと支えるドウェインのプロダクションもまた素晴らしい。オールド・スクール・マナーと90年代的なR&Bサウンドの混ざり具合がちょうどいい塩梅で、今聴いても相当楽しめる傑作になっている。

アルバム・オープナーの「My Ol' Lady」はジョニー・テイラー「Disco Lady」を引用したミドル・チューン。セクシーなスムーヴ・ナンバー「Let's Get Together」、官能スロウ・ジャムの「Hide & Go Get It」、濡れたクワイエット・ストーム「Pillow Talk」、トロけそうな極上サマー・メロウ・グルーヴのアルバム・タイトル曲「Out Of The Blu」、「Lip Service」は太いビートが脈動するダンス・トラック。

男臭さ丸出しで歌い込める強力スロウ「Young Doctor Feelgood」、パーラメント「Mothership Connection」のフレーズにGファンク調のギラギラしたシンセ音が響くミドル「Jamaican Rum」、クールなダンス・ナンバーの「Easy Come, Easy Go」、冒頭いきなりデイヴィッドTばりに濡れたドゥウェインのギターが零れるミディアム・スロウ「Clap Your Hands」、アース「Brazilian Rhyme」のスキャット・コーラスを忍ばせたダンス・チューン「Most Wanted」、ラストの「Can We Vibe」はグルーヴィーなR&Bナンバー。