love power peace
Love Power Peace / James Brown
 Universal '14 

当時、キングからリリースが予定されながらも、ポリドールへのレーベル移籍などのゴタゴタでお蔵入りとなってしまった、71年のパリでのライヴを収めた3枚組LP『Love Power Peace』。
92年になってようやく日の目を見たこの音源は、実のところ当初のカタチからかなり曲を削られたモノだったが、2014年になって完全盤がサンデイズドからアナログ限定リリース。そして、首を長くして待ち望んだCD化が今年ついに実現。
既にレビュー済みの92年盤との違いは、丸々削られていたボビー・バードとヴィッキ・アンダーソンのソロ・パートがしっかり収録されていること。更にJBによる曲も3曲増量、既発曲もおそらく色々と編集されていた部分が、編集無しでそのまま収録されていたりしているようで、細かいところが結構違うように感じる。
また、今回新たにリマスタリングされているが、音質が大きく改善したという感じではなく、むしろ92年盤よりも音の分離が悪い印象で、所々聴き辛く感じたりも。一方で、ライヴならではの臨場感や迫力は増していて、どちらが良いかは個人の好みによるところだろう。いずれにしろ、当時のJBレヴューの全容を真空パックしたようなこの完全盤2CDがリリースされた意義は大きい。
ディスク1は、聴き慣れたあのイントロから始まったかと思いきや、ボビー・バードの「Doin' The Do」に乗せてバードがバンドを紹介、大幅延長された「Introduction」を経て、「Brother Rapp」「Ain't It Funky Now」と畳み掛ける激ファンク展開は、やっぱり何度聴いてもモノ凄いカッコよさに大興奮。
「Georgia On My Mind」に続いて披露されるのは、92年盤には無かった「Sunny」。アップ・テンポにレンジされたこのヴァージョンはなかなか新鮮。ここでJBは一旦ステージからハケて、ボビー・バードとヴィッキ・アンダーソンのパートへ。バードはスティーヴィー・ワンダー「Signed,Sealed,Delivered I'm Yours」のカバーと「I Need Help(I Can't Do It Alone)」、ヴィッキはアレサ・フランクリンの「Don't Play That Song(You Lied)」とビートルズ「Yesterday」をパフォーム。ヴィッキはこういった曲も悪くはないけど、出来ればファンキーな自曲を聴きたかったところ。
ディスク2は「The Grunt」の演奏に乗せて、再びのバードの呼び込みで聴衆大盛り上がりの中JB再登場、へヴィー・ファンクの「It's A New Day」をカマす。臨場感を増したマスタリングのおかげで興奮度倍増。「Bewildered」は途中明らかにJBが歌をとばしている箇所があるが、この部分は92年盤ではオミットされていた。続く「There Was A Time」は92年盤には未収で、かなりテンポ・アップした演奏で一気に聴かせる。途中で曲をブッタ切り、JBとボビーの掛け合いから「Sex Machine」へと突入。ブーツィーのブッといベース、キャットフィッシュのギター、延々と続くJBとバードの掛け合いが呪術的なグルーヴを生むファンク・ナンバーはやはり最高。
その後は「Try Me」、「Papa's Got A Brand New Bag / I Got You(I Feel Good) / I Got The Feelin'」のショート・メドレー、「Give It Up Or Turnit A Loose」、「It's A Man's Man's Man's World」とお馴染みの展開の後、ここで何故かスタジオ録音に歓声をオーバーダブした擬似ライヴ仕立ての「Who Am I」が。3枚組LPの曲数を埋めるための窮余の策とのことだが、この曲は後に再録され『There It Is』にラインナップされる。
ここから先はJBもバンドもフル・スロットルで駆け抜ける。「Super Bad」「Get Up,Get Into It,Get Involved」「Soul Power」の地獄のファンク・フルコースで真っ黒に燃え尽きる。これほど壮絶な終盤の盛り上がりを見せるライヴ盤は他にはない。