welcome 2 detroit
Welcome 2 Detroit / Jay Dee aka J Dilla
BBE '01 

90年代半ばにQティップやアリ・シャヒード・ムハンマドらとプロデューサー・チーム、ウマーを結成し、ア・トライブ・コールド・クエストの4th以降のアルバム制作に関与、また単独でファーサイド『Labcabincalifornia』のプロデュースや、自身のグループ、スラム・ヴィレッジの『Fantastic Vol.2』などといった名作を手がけたジェイ・ディー改めJディラ。2000年前後には、ディアンジェロ、クエストラヴらとソウル・クエリアンズとして連帯し、コモン『Like Water For Chocolate』やエリカ・バドゥ『Mama's Gun』をプロデュース。ディアンジェロ『Voodoo』もディラとクエリアンズ相互の影響関係なくしては生まれなかっただろうし、この時期のディラは先鋭的なブラック・ミュージック・シーンのキーマンと言ってもいいような存在だった。
そんな頃にリリースした初のソロ・アルバム『Welcome 2 Detroit』で、UKのレーベル、BBEからのリリース。独特のヨレてモタったビート、スモーキーで黒く濁ったグルーヴは、まさに当時のディラ・サウンドだが、クエリアンズ諸作よりもレイドバックしたリラックスしたムードを感じる。「Think Twice」「Brazilian Groove(EWF)」「African Rhythms」などは、タイトルからもどんな曲か想像がつくが、単にサンプリングしたというレベルに収まらず、原曲のグルーヴをディラのフィルターを通して抽出している。
ウマー期をに通じる縦割りビートの「The Clapper」「Shake It Down」、スラム・ヴィレッジのエルザイをフィーチャーした「Come Get It」、鈍器で撲りつけられるようなビートの「Pause」、スペイシーなテクノ・サウンドの「B.B.E.(Big Booty Express)」、オハイオ・プレイヤーズ「Pain」をサンプリングした「Beej-N-Dem」、テンプテーションズ「Papa Was A Rolling Stone」使いの「It's Like That」、ボッサ・タッチの「Rico Suave Bossa Nova」など、ヒップホップを中心にあらゆるグルーヴを内包したサウンドを聴かせる傑作。