faith
Faith / George Michael
 Columbia '87 

ジョージ・マイケルの突然の訃報に触れ、久々に『Faith』を聴いた。

洋楽を聴き始めた中学生の頃、ワムは解散間近で、「The Edge Of Heaven」がヒットしていた。もちろん、それ以前の「Wake Me Up Before You Go-Go」や「Freedom」、「Careless Whisper」といった大ヒット曲もワムだと意識せずとも自然と知っていた。解散後に出たベスト・アルバムを買い、「Whap Rap!」や「Young Guns」、「Everything She Wants」といった曲を好きになった。
しかし、何と言ってもインパクトが大きかったのは、ソロ・デビュー・アルバムに先がけてリリースされたシングル「I Want Your Sex」だ。この曲のPVを初めて見た多感な中学生は、これは絶対にアルバムを買わなければと思った。それから暫くしてリリースされたアルバム『Faith』は、本当に擦り切れるぐらい聴きまくった。毎日何回も繰り返し聴いた。特にアルバム・タイトル曲の「Faith」は大好きで、この曲のPVもカッコよかった。

プリンスに出会う前、ジョージ・マイケルがアイドルだった。

『Faith』が87年10月、『Lovesexy』が88年5月のリリース。そのあいだの約半年間、ジョージが最大のアイドルだった。多分その間に『Faith』は200回以上は聴いている。
このアルバムは、白人アーティストとして初めて全米R&Bチャート1位を獲得した作品であり、グラミーのアルバム・オブ・ジ・イヤーも受賞。アルバムからカットされたシングルが4曲連続で全米1位となるなど、未曽有の大成功を収めた。

プリンスに出会った後、ファンクやソウルに傾倒して行き、音楽の嗜好が変わっていったため、以降のジョージを熱心に追いかけることはなかったのだが、この『Faith』は30年近く経った今聴いても素晴らしい。
「Faith」や「I Want Your Sex」の他にも、「Father Figure」「One More Try」「Kissing A Fool」など、ジョージのメロディ・メイカーとしての才や、魅力的な歌唱は今も煌めいている。当時は地味に思えた「Hand To Mouth」や「Look At Your Hands」もイイし、「Hard Day」なんか、こんなカッコいい曲だったんだと今更ながら思わされる。「I Want Your Sex」はプリンスの「Kiss」を意識して作ったと本人が語っていたけど、「Hard Day」は「Hot Thing」っぽいなぁなんて思ったり。「Monkey」あたりになるとプロダクションの弱さは隠せないが、それも含めて、この時代のポップ・ミュージックが持つ抗い難い魅力に溢れた作品。