safe + sound
Safe + Sound / DJ Quik
 Profile '95 

コンプトン出身のラッパー/プロデューサーのDJクイック。
Dr.ドレー、Gファンクが圧倒的な猛威を振るった90年代前半、西海岸のヒップホップ作品の多くはGファンクの影響下にあり、クイックの作品もその中のひとつではあるが、ドレー以上に生楽器を多用したファンキーでソウルフルなグルーヴと、高度なミュージシャン・シップを感じさせる音楽的な成熟度の高さが、数多の亜流とは一線も二線も画す。
特に、3作目となる本作『Safe + Sound』は、まだ粗さの目立つ前2作から飛躍的な洗練と深化を遂げていて、最高傑作との呼び声も高い。

アルバムはイントロダクション的なPファンク調のトラック「Street Level Entrange」でスタート。キャメオ「Rigor Mortis」ベタ敷きの豪放ファンク「Get At Me」、ジョージ・マックレー「I Get Lifted」をサンプリングしたスムーズ・グルーヴ「Diggin' U Out」、プリンス「I Wanna Be Your Lover」、ブラザーズ・ジョンソン「Strawberry Letter 23」使いの極上クルーズ・ナンバー「Safe + Sound」は、トーク・ボックスのハマり具合も美味。フルートとシンセの音色に蕩ける「Somethin' 4 Tha Mood」も気持ち良過ぎるメロウ&グルーヴィー・チューンで堪らん。
Gな高音シンセとチープなトラックが80'sファンク・ムードな「Can I Eat It?」、生っぽいレイド・バックしたグルーヴにまったり揺らされるメロウ・ファンキー・チューン「Itz Your Fantasy」、これも生ドラムがオーガニックなグルーヴを紡ぐソウル・ナンバー「Tha Ho In You」は、ベティー・ライト「Tonight Is The Night」のサンプルもピタッとハマる。

ストレートなGファンク路線の「Dollaz + Sense」、ADCバンド「Long Stroke」をサンプリングした「Let You Havit」は、ヘヴィーにブーストしたベースがウネるミッド・ファンク。女性シンガーがウィリアム・ディヴォーン「Be Thankful For What You Got」風のフックを歌うスムーズなサマー・ジャム「Summer Breeze」、「Quik's Groove Ⅲ」はフルートが囀りピアノがジャジーに響くメロウ・グルーヴ。
ブッといビートで突進するナスティー・ファンク「Sucka Free」、パーラメント「Colour Me Funky」、ブラックバーズ「Do It, Fluid」使いの「Keep Tha "P" In It」は、タイトルどおりPファンク・マナーのヘヴィー・ファンク。ラストの「Hoorah 4 Tha Funk(Reprise)」は冒頭の「Street Level Entrange」の再演で、ジョージ・クリントン「Atomic Dog」をサンプリングしてバウンシーにキメる。
これで終わりかと思いきや、最後に隠しトラックが。コレがまたバウンスしまくる強力ファンク・トラックで、最後の最後まで楽しませてくれる。