all time best 2

前回、前々回に続いてフェイバリット・アルバム100選。
今回はNo.11-30の20枚。ここからはコメント付きで。
さすがにこの辺りになってくると、一般的にも評価の確立した名盤ばかり。
今の気分で選んだらこんな感じ、ということで、その時の気分で順位は大幅に入れ替わる可能性アリ。
(アルバム・ジャケット及びタイトルから過去記事にリンクしています)

※順位を一部変更しました。

love power peaceNo.11 
Love Power Peace Live At The Olympia, Paris, 1971 / James Brown 
Recorded:1971、Release:1992 
数あるJBのライヴ盤の中からベストを挙げろと言われれば、即答でコレ。ジャボとブーツィーが繰り出す殺気漲るヘヴィー・ファンク・グルーヴの嵐、ソリッドなカッティングとロッキッシュなソロ、ジャジーなオクターヴ奏法まで繰り出すキャットフィッシュ、ハードにブロウするフレッド率いるホーン隊、そして鉄の規律と強烈なリーダーシップでバンドとグルーヴを統率するJBの圧倒的な存在感。
2016年にCDリリースされた完全盤は、ボビー・バードらのソロ・パートなども含むJBレヴューの全容を収めた貴重な音源だが、音の分離がイマイチ。改めてこの92年盤の名編集ぶりを再認識。

paradeNo.12 
Parade / Prince & The Revolution 
Release:1986 
80年代の音楽のほとんどは、今聴くと古びて聞こえるのだが、本作はリズム、グルーヴ、アレンジ、メロディ、ヴォーカルと、今の耳にもフレッシュに響いてくる、タイムレスでマジカルな魅力に溢れたアルバム。
本作を失敗作と言い放った殿下だが、ここで聴けるストレンジなサウンドは、他では決して聴くことの出来ない唯一無二のモノ。妖しげなモノクロ・ジャケットもプリンスの作品では一番好き。

chocolate city
No.13
Chocolate City / Parliament
Release:1975
宇宙を舞台にした一大コンセプトが固まる前にリリースされた、ビッグバン直前の大傑作。
個人的には、17歳の時に聴いたコレが70年代ファンク初体験で、自分の音楽の嗜好=ファンク至上主義を決定付けた1枚。もちろん、Pファンクにのめり込んだのもココから。クールな凄みに震える「Chocolate City」、ブーツィーのベースがヘヴィーにウネる「Ride On」はもちろん、情けなくも切ないスロウ「I Misjudged You」まで、アルバムの隅々まで思い入れ深い作品。

rejuvenationNo.14
Rejuvenation / The Meters
Release:1974 
ミーターズはジョシー時代の3作のうちのいずれかを推す声が多いと思うが、個人的にはファンク・バンドとしての完成を見た本作こそ至高。
ジガブーとポーターが繰り出す激重ファンク・グルーヴ、ノセンテリの掻き毟るようなワウ・ギター、ニューオリンズらしいアートの鍵盤がガッチリ噛み合った、70年代屈指のヘヴィー・ファンク・アルバム。

theres no place like america todayNo.15
There's No Place Like America Today / Curtis Mayfield
Release:1975
生前、カーティス自身が最高傑作と評していたのが本作。
地味で起伏に乏しい作品だが、その隙間だらけでドライなサウンドには異様なまでの緊張感が漲っている。納豆のように糸を引き絡みつくワウ・ギター、タイトにグルーヴを紡ぐドラムスとベース、淡々とクールに現実を描写するカーティスの歌詞とファルセット・ヴォーカルが素晴らしい。

i want youNo.16
I Want You / Marvin Gaye
Release:1976
ソウル・ミュージックが洗練を極めた、その到達点にあるような作品。
ジェイムス・ギャドソン、チャック・レイニー、デイヴィッド・T・ウォーカーらによる、奥底にファンクネスが宿るメロウでグルーヴィーなサウンド。官能的でありながら翳りのある、美しくも哀愁滲むレオン・ウェアの楽曲。そして、恍惚と懊悩が入り混じるマーヴィンのヴォーカル。艶かしく躍動する肉体を描いたアーニー・バーンズのジャケットは、本作のサウンドを見事に表現している。

one nation under a grooveNo.17 
One Nation Under A Groove / Funkadelic 
Release:1978 
ファンカでどのアルバムが好きかは、人によって意見が分かれるだろうが、個人的にはコレ。
時代も人種も国境も越え、グルーヴの旗の下に連帯を呼びかけたPファンク・アンセムのタイトル曲以下、剥き出しになったファンク・ビート、練りこまれた密度の高いグルーヴ、奔放なようで緻密に積み上げられたヴォーカル・ワークが素晴らしい。ロック要素は減退しているが、ちょうどいい塩梅で効いている。

standNo.18 
Stand! / Sly & The Family Stone 
Release:1969 
『Stand!』はスライのファンク宣言だ。1曲目のタイトル曲「Stand!」後半、唐突にファンク・パートへ突入する瞬間は、スライのファンク覚醒の瞬間を活写したものだ。
キャッチーなフックを搭載した名曲がギッシリと詰まった、モノ凄い熱量を今も放出し続ける怪物アルバム。後進のファンク・バンドに本作が与えた影響を思うと、そのあまりの偉大さにクラクラする。

doing it to death
No.19
Doing It To Death / The J.B.'s
Release:1973 
JB'sは1stと2nd、どちらを上位にするか悩むところで、その時の気分によってどちらをチョイスするか変わりそう。
取り敢えずは、トグロ巻く反復グルーヴの長尺ファンク・ジャムを展開する2ndを。ジャボ&ブーツィーも凄いが、ここでのジャボ&フレッド・トーマスのリズム・セクションも、ドス黒く太いグルーヴが脈々とウネっていて凄いことになっている。個人的には、ジャズ・ファンクの理想型がJB'sの最初の2枚にある。

live at the jazz cafe londonNo.20
Live At The Jazz Cafe, London / D'angelo
Release:1996、Complete Version Release:2014
ディアンジェロで最初に好きになったのは、『Brown Sugar』ではなくコレだった。
当時、ダニー・ハサウェイやカーティス・メイフィールドのニューソウル・ライヴ名盤をよく引き合いに出されていたが、それは、そのインティメイトな録音の質感が先の2枚を彷彿とさせるということだけでなく、新進気鋭のソウル・アーティストの日の出の勢いを捉えたライヴ盤であり、新しい潮流とか時代の動きといものを感じさせる/象徴するような作品という意味で、ダニーやカーティスの作品と並べて語られていたのだと思う。

lovesexyNo.21
Lovesexy / Prince
Release:1988
当ブログの一発目にレヴューした本作は、リリース当時14歳の中学生だった自分をブラック・ミュージック道へと誘った作品。以降、今に至るまでファンク/ソウル・ミュージックばかり聴き続けてきた音楽遍歴の、そのスタート地点にある最初の1枚。
とにかく思い入れの強い作品だけど、今でもバリバリ聴きまくっているし、今聴いても初めて聴いた時の衝撃や感動や何じゃこりゃ感が蘇ってくる。
あの時、このアルバムに出会っていなかったら、その後の人生は今とはかなり違ったものになっていただろう。幸か不幸かはともかく。

whats going onNo.22 
What's Going On / Marvin Gaye
Release:1971 
ソウルの名盤として、その筆頭に挙げられることの多い作品だが、確かにこれは、ニュー・ソウル、いや70年代のソウル・ミュージックを代表する記念碑的名作に違いない。
ソウル/ジャズ/ラテン/ゴスペルが溶け合った、ハイブリッドにして滑らか、シルキーでスピリチュアルなサウンドとヴォーカルの奇蹟的な結晶。

extension of a manNo.23 
Extension Of A Man / Donny Hathaway 
Release:1973 
よもやダニー本人も本作が生前最後のアルバムになろうとは思っていなかっただろうけど、スタジオ録音作3作目にして、もうこれ以上は望めないような素晴らしい作品を作ってしまったことは、結果的にダニーにとって不幸なことだったのかもしれない。
ソウル・ミュージックとして、と言うよりも、ただただ音楽としてあまりにも美しい。人類の遺産として聴き継がれなければならない作品。

superflyNo.24 
Superfly / Curtis Mayfield 
Release:1972 
より映画音楽的な『Shaft』は聴いていて結構退屈してしまうのだが、『Superfly』はサントラの枠を遥かに超えている。カーティスのキャリア中最高に濃密な楽曲とアレンジが施された名盤。スリリングでチェイス感横溢のストリングス&ホーン・アレンジ、ゲットーの路地裏感滲むファンキーなグルーヴ、ストリート・ワイズでハード・ボイルドな歌詞、ヒリヒリするようなカーティスのファルセットも最高。

revolution of the mindNo.25
Revolution Of The Mind / James Brown
Release:1971
『Love Power Peace』に勝るとも劣らないJBのライヴ名盤。
『Love Power Peace』の、ジャボ&ブーツィーのゴリゴリのハードコア・ファンク・グルーヴに対し、本作のジャボ&フレッド・トーマスのリズム隊は、ジワジワと焚きつけるようなグルーヴ。一聴クールだが、油断してると大ヤケド必至。
監獄に捉われたJBのジャケット、見開きの堂々と脱獄?するJBと子分たちも最高。

wild magnoliasNo.26
The Wild Magnolias
Release:1974
ニューオリンズ・インディアン・ファンクの最高傑作。
ウィリー・ティー、スヌークス・イーグリンらによる、トグロ巻くトライバルなファンク・グルーヴ。野卑で呪術的なボー・ドリスらによるヴォーカル&チャント。
ミーターズが『Rejuvenation』で全盛を極めたのと同時期の、もうひとつのニューオリンズ・ファンクの頂点となるアルバム。

struttinNo.27
The Struttin / The Meters
Release:1970
大名曲「Cissy Strut」を含む、ドラムの鳴りが1番太くて気持ちいい1st。リズムの面白さで頭ひとつ抜けている2nd。(良い意味で)最も音が汚れている(と思う)3rd。ミーターズのジョシー時代の3枚のアルバムはいずれも甲乙付け難いのだが、現時点の気分で1枚選ぶのなら3枚目のコレ。
独特の間合いで紡ぐ魔法のリズムはそのままに、グルーヴにずっしりとした重みが一層加わっている。歌入りの曲にも挑戦するなど、来るべきファンク・バンド隆盛の時代への対応も見られる意欲作。

food for thoughtNo.28
Food For Thought / JB's
Release:1972
JB'sとしての1stアルバムとなる本作は、それまでにJB's名義でリリースされたシングル曲や、インスト・メインのJBナンバーの寄せ集め作品。なので、既に脱退済みのブーツィーらによる曲も一部含まれているが、JB及びその周辺のアルバムとしては脅威のトータリティーとクオリティーを誇る。
路地裏感滲む漆黒のジャズ・ファンク/レア・グルーヴ名盤で、90年代のアシッド・ジャズ連中に散々コピーされたサウンドのオリジナルがここにある。

heat is onNo.29
The Heat Is On / The Isley Brothers
Release:1975
1972年から77年まで、年1枚のペースで傑作を連発したアイズレー兄弟。5年以上もコンスタントに良質なアルバムをリリースし続けたファンク/ソウル・アーティストは、他に70年代前半のカーティス・メイフィールドや70年代後半のPファンク軍団、それに80年代のプリンスぐらいしかいないのではないか。
そんなアイズレー全盛期から1枚選ぶとなれば、やはりコレ。ブラックネスに満ち満ちたファンクで攻めるA面3曲、濃密で官能的なスロウでズブ濡れのB面3曲、いずれも素晴らしい。3+3を謳いながらも実働4人(?)の少数精鋭で完全セルフコンテインドを実現した記念碑的作品。

innervisionsNo.30 
Innervisions / Stevie Wonder 
Release:1973 
スティーヴィーは断トツでコレ、個人的には『Innervisions』一強状態。
スティーヴィーで最もファンクなアルバムだし、アルバム全編に漲るヒリヒリとした緊張感が堪らない。スティーヴィーのクラヴィネット・マスターぶりも最高。
『Talking Book』は甘さが残るし、『First Finale』は穏やか過ぎると感じるし、『Key Of Life』は冗長だと思うのは、すべて本作の隙の無い完璧さのせい。

No.31-  60はこちら→All Time Best 100 Albums No.31-60
No.61-100はこちら→All Time Best 100 Albums No.61-100