live in los angels
Live In Los Angeles / Maze featuring Frankie Beverly
 Capitol '86 

フランキー・ビヴァリー率いるソウル・バンド、メイズの86年ロサンゼルスでのライヴ盤。
メイズのライヴ盤と言えば、何と言っても名盤『Live In New Orleans』があるが、この『Live In Los Angeles』も甲乙付け難い傑作。
基本、いつの時代も変わらぬハンドメイドの手触りのソウル・ミュージックをつくり続けてきたバンドで、それはライヴ盤でより如実に顕れている。マーヴィン・ゲイの薫陶を受けたバンドであることを思い起こさせるような、ニュー・ソウルの陰影がほんのり滲む『Live In New Orleans』に対し、本作はより明るくソリッドな雰囲気。アナログ2枚組で3面がライヴ音源、D面のみスタジオ録音の新曲という構成は『Live In New Orleans』を踏襲。
アルバムのオープニングは「Running Away」。タイトなバンド・ファンクで鋭角に攻める。ザクザクしたギターもカッコいい。 そして、続く「Too Many Games」の、このイントロの昂揚感、絶妙なテンポ、リズム、グルーヴで揺れる最高の一曲。更に、フランキーの真摯でソウルフルな歌心が爆発&バンドの温か味溢れる演奏とコーラスにジンジンくるグレイト・ミディアム「I Wanna Thank You」、ここまで来て、既に涙腺崩壊。この頭3曲は特に素晴らし過ぎる。
乾いたパーカッションがエッジを刻むグルーヴィー・チューン「You」や、麗しきスロウ「Happy Feelin's」あたりは、『Live In New Orleans』と比べるとややあっさりしているが、もちろんここでの演奏も文句ない。かなりテンポ・アップした「Feel That You're Feelin'」はなかなか新鮮。
ウォーキング・テンポのミディアム「I Want To Feel Wanted」、メロウな哀愁滲む「We Are One」、リズム・ボックスが鳴り響くなか聴衆と一体になる「Joy And Pain」、ブライトなグルーヴ・ナンバー「Before I Let Go」、ソリッドなファンク・ダンサー「Back In Stride」と、ライヴは最後まで大盛り上がり。
スタジオ録音曲は、ライヴ音源に比べるとさすがに弱いが、80年代後半というソウル・ミュージックにとって一番厳しい時代にあって、十分なクオリティは備えている。なかでは、ミディアムの「I Wanna Be With You」、スロウの「When You Love Someone」あたりはメイズらしさの出た佳曲。
2016年にロビンソングスから出た、『Live In New Orleans』と抱き合わせた2CDでは、「Joy And Pain」と「Before I Let Go」がオミットされているので要注意。