death certificate
Death Certificate / Ice Cube
 Priority '91 

NWAのMCとして頭角を現した後、グループを脱退しソロへ転じたアイス・キューブ。
ボム・スクワッドと組んだソロ1st『Amerikkka's Most Wanted』、EP盤『Kill At Will』と立て続けにリリースした後、ブギー・メンとサー・ジンクスをメイン・プロデューサーに据えて制作したのが2ndアルバムとなる本作『Death Certificate』。
90年代前半のキューブの勢いは本当にモノ凄いものがあり、その勢いはやがて映画俳優など多方面に広がっていき、相対的にラッパー/アーティストとしての影響力は緩やかに下降していくことになるが、そのアーティスト・パワーが沸点に達した時期の本作やサイプレス・ヒルのDJマグスを登用した次作『The Predetor』あたりは、その時代のヒップホップを代表する作品と言える。

キューブ脱退後のNWAの大ヒット作にして、それまでのDr.ドレーのプロダクションの集大成的な『Niggaz4life』が91年3月のリリース。対して本作『Death Certificate』のリリースが約半年後の91年10月。本作の先鋭的で途轍もなくファンクなサウンドは、この時点のドレーを凌駕していると感じるし、当然ながらドレーがGファンク・サウンドを確立するよりも早かったし、ソレとはまったく別モノだ(『The Chronic』のリリースは本作から遅れること約1年の92年12月)。個人的には、『The Chronic』よりも、ヘヴィーで、エッジが効いていて、弩ファンクな本作の方が好きだ。この屈強なファンク・ビートと五分以上に渡り合うキューブのラップぢからも圧巻。

それにしても、キューブとブギー・メン、サー・ジンクスらのPファンク好きは筋金入りで、本作ではほとんどの曲でPファンク曲をサンプリング。特に『Funkentelechy VS. The Placebo Syndrome』からのサンプル使用率が高く、後にキューブはクリントンをゲストに招いて「Bop Gun」をカバーしていることからも、このアルバムが特にお気に入りなのだろうと想像できる。

ファンカデリック 「Good Old Music」、パーラメント「Flash Light」、JB「The Payback」をサンプリングした、凄まじい勢いのファンク・トラック「The Wrong Nigga To Fuck Wit」で1ラウンドKO必至。
「Atomic Dog」の粘着ビートがバウンスする「My Summer Vacation」、マーヴィン・ゲイ「After The Dance」やパーラメント「Dr. Funkenstein」「Sir Nose D'voidoffunk」を使ったヘヴィー・ファンク「Steady Mobbin'」、「Givin' Up The Nappy Dug Out」は、ロジャー「Do It Roger」、ブッカーT&MG's「Hip Hug-Her」、マンドリル「Fencewalk」使いのクソ格好いいビートにパーラメント「Mr. Wiggles」のフックを乗せた、本作中でも特に気に入っている曲のひとつ。
パーラメント「The Freeze(Sizzaleenmean)」、ザップ「More Bounce To The Ounce」をサンプリングした「Look Who's Burnin'」、ファイヴ・ステアステップス「Don't Change Your Love」の定番ビートが轟く「A Bird In The Hand」、「Flash Light」「Atomic Dog」の反則W使いでクリントン・ソロ曲からタイトルを戴いた「Man's Best Friend」、パーラメント「The Big Bang Theory」使いの「Alive On Arrival」は最後に心停止してストップ。

ボビー・バード「Hot Pants ‐ I'm Coming, I'm Coming, I'm Coming」の声ネタを飛ばす「I Wanna Kill Sam」、スライ「Don't Call Me Nigger, Whitey」、ルー・ドナルドソン「Pot Belly」をサンプリングした「Horny Lil' Devil」、当時物議を醸した「Black Korea」は短い曲だが、曲自体はカッコいい。
ギャップ・バンド「Outstanding」のベース・ラインが強力な「True To The Game」、ミーターズ「Pungee」のベース・ループがトグロ巻く「Color Blind」、パーラメント「Funkentelechy」ベタ敷きの「Doing Dumb Shit」、パーラメント「Gamin' On Ya!」使いの「Us」、ラストの「No Vaseline」はブリック「Dazz」を軸にした骨太ファンク・チューン。