16
16 / Madhouse
 Paisley Park '87 

プリンスがジャズにアプローチしたサイド・プロジェクト、マッドハウスの2ndアルバム『16』。
前作『8』同様に、エリック・リーズ、Dr.フィンク、リーヴァイ・シーサーJrら、プリンスの当時のツアー・メンバー達による録音、もちろんプリンス自身も全面的に関与しているに違いないと思われる。マイルス・デイヴィスとステージで共演したのもこの頃で、プリンスのジャズ志向が高まっていたこの時期に、プリンス流のジャズ・アルバムを作ってみたのがマッドハウスの2枚ということなのだろう。『Parade』『Sign Of The Times』にも通底するムードに覆われた本作は、プリンス・ファンにとっては興味深い作品に違いない。
例によって数字タイトルの「Nine」から「Sixteen」までの全8曲。サックスがブリブリと鳴るジャズ・ファンク「Ten」、『N.E.W.S.』収録曲を思わせるアンビエントな雰囲気の「Eleven」、ラテン・ジャズ調の「Twelve」、「Housequake」あたりに通じる太いファンク・ビートの「Thirteen」、落ち着いたムードの「Fourteen」、タイトなグルーヴのジャズ・ファンク「Fifteen」など、当時のプリンスの創造力の発露が見て取れる。