No One Can Do It Better / The D.O.C.
　Ruthless　'89　

NWA周辺のラッパーで、『Straight Outta Compton』にも参加。その後Dr.ドレーのプロデュースで制作されたDOCの1stアルバム『No One Can Do It Better』。
Gファンクのプロトタイプとなる、西海岸ファンキー・サウンドが聴ける本作は、現在でも高く評価されている1枚。ドレーのPファンク趣味も全開で、Pファンクからサンプリングしまくり。本作のサウンドが後の『The Chronic』へと繋がっているのがよく分かる。
フォスター・シルヴァーズ「Misdemeanor」をサンプルしたオールド・スクールなファンキー・チューン「It's Funky Enough」、ヒートウェイヴ「Mind Blowing Decisions」使いのファンク・トラック「Mind Blowin'」、リン・コリンズ「Think」、モホークス「The Champ」をブッ込む「Lend Me An Ear」、意表を付くブルース・ナンバー「Comm. Blues」、アイザック・ヘイズ「No Name Bar」のベース・ラインをループした「Let The Bass Go」、「Beautiful But Deadly」はファンカデリック「Cosmic Slop」をサンプリングしたハード・ロック・チューン。
ファンカデリック「Good Old Music」のトグロ巻くブレイク・ビーツがグルーヴィーなファンク・トラック「The D.O.C. & The Doctor」、中毒性の強いループがイカすファンキー・チューン「No One Can Do It Better」、パーラメント「Gettin' To Know You」のホーンをサンプルしたファスト・トラック「Whirlwind Pyramid」、スライ「If You Want Me To Stay」のベースにまたもモホークス「The Champ」のオルガンを乗せた小品「Comm. 2」、マーヴィン・ゲイ「Inner City Blues」のベース・ラインをループした、まさに後のGファンク・サウンドのフォーミュラと言えそうな「The Formula」、JB's「Blow Your Head」のムーグが蠢く「Portrait Of A Master Piece」、ラストの「The Grand Finale」はパーラメント「Chocolate City」をサンプリング。
この後DOCは事故で喉を痛め、一線から退いてしまったのは残念。