between the sheets
Between The Sheets / The Isley Brothers
 T-Neck '83 

ファンク・バンド受難のディスコ・エラを何とか乗り切ったアイズレーだが、ヒットの規模は徐々に縮小。一方で年少組3人がアルバム/楽曲制作のイニシアティヴを執る場面が多くなるものの、バンドへの貢献を年長組になかなか認めてもらえないことに大いに不満を持っていたようで、バンドの存続はやがて困難に。
そんな状況にあったアイズレーの、3+3体制での最終作となったのが本作『Between The Sheets』。シンセサイザーや打ち込みを多用し、ファンクよりもバラード・ナンバーを主軸に据えた本作で、クリス・ジャズパーは80年代R&Bのキモを掴んだのだろう。自信を得たクリスは、アーニーとマーヴィンを唆し独立を画策、グループは分裂し約10年間続いた3+3体制に終止符が打たれた。
本作は前半はスロウ・サイド、後半がファンク・サイドという構成になっているが、圧倒的に素晴らしいのが前半のスロウ・サイド。なかでも、やはりアルバム・タイトル曲の「Between The Sheets」が白眉。一聴チープな打ち込みのリズム・トラックを使った本曲は、マーヴィン・ゲイ「Sexual Healing」を多分に意識したに違いないが、メロウに蕩けるキーボードのリフレイン、サビで挿入されるヨーロピアンでエレガントなフレーズ、そして舐めるようなロナルドのヴォーカルがエロいことこの上ない、まさにシルクのような極上の肌触りのクラシック・スロウ・ジャム。
その他、アーニーのギターが狂おしく嘶く官能スロウ「Choosey Lover」、ロナルドの濡れた喉が映えるアーバン・メロウ・ソウル「Touch Me」、打ち込みのリズムとキーボードが煌めく「I Need Your Body」、メロウでグルーヴィーなミディアム・スロウ「Let's Make Love Tonight」と、徹底した官能スロウ責めでトロトロに蕩ける。
一方、アルバム後半は、シリアスで重厚なムードの「Ballad For The Fallen Soldier」、ワウワウとウネるスロー・ファンク「Slow Down Children」、かなり軽いエレクトロ・ファンク「Way Out Love」、エレクトロ・ポップな「Gettin' Over」、クラップ音が破裂するエレクトロ・ファンク「Rock You Good」など、いずれも物足りない。