baduizm
Baduizm / Erykah Badu
 Universal '97 

エリカ・バドゥのデビュー・アルバム『Baduizum』リリースから丁度20年ということで、久し振りに聴き返してみた。
キダー・マッセンバーグがディアンジェロに続いて送り出す新人ということで、当時かなりの話題と期待を集めた、鳴り物入りのデビューだった。ボブ・パワー、ザ・ルーツ、ジェイムス・ポイザー、マドゥクゥ・チンワーらのプロデュースによるジャジーでドープなグルーヴ、豊穣な生音とヒップホップ経由のビート感を絶妙にレイヤーさせたサウンド、そこにしなやかに纏わるエリカのヴォーカル。非常に気持ちいいサウンド/グルーヴの連続で、当時は本当によく聴いた。ディアンジェロの『Brown Sugar』やこの『Baduizm』の影響力は絶大で、以降のネオ・ソウル/ネオ・フィリーの作品で使い回されたこの手のサウンドはすぐに食傷気味になってしまったのだが、オリジンである本作は今でも飽きることなく聴ける名盤。
アルバムは、ウネるウッド・ベースと硬質なリムショットが刺さる「Rimshot」を イントロとアウトロに配した構成。1stシングル「On & On」も重いベースとリムショットの乾いた音がクールなミドル。メロウな鍵盤ループがスムーズに流れていく「Appletree」、ズブズブと深く沈み込むジャジー・グルーヴ「Otherside Of The Game」、暗闇に揺蕩う酩酊ミッド・スロウ「Next Lifetime」、「Afro(Freestyle Skit)」ジャジーで小粋な小品。
ウッド・ベースが地を這うジャジー・ミドル「Certainly」、アトランティック・スター「Touch A Four Leaf Clover」をモチーフにした「4 Leaf Clover」、リロイ・ハトソン「Lucky Fellow」をサンプリングしたメロウ・グルーヴ「No Love」、ドープなグルーヴのR&Bナンバー「Drama」、グルーヴィーなミドル「Sometimes...」、クール&ザ・ギャング「Summer Madness」をサンプリングしたサマー・ジャム「Certainly(Flipped It)」と、全曲カッコいい。