blue lines
Blue Lines / Massive Attack
 Wild Bunch '91 

ネリー・フーパーらによりブリストルで結成されたDJ/アーティスト集団のワイルド・バンチを前身とし、91年に本作『Blue Lines』でデビューしたマッシヴ・アタック。
この時のメンバーは、ダディG、マッシュルーム、3-Dの3人で、女性シンガーのシャラ・ネルソン、レゲエ・シンガーのホレイス・アンディらをゲストに招集。現在ではトリップ・ホップの元祖という評価が定着した名盤だが、その当時は、元メンバーのネリー・フーパーがソウルⅡソウルに関わっていたこともあって、グラウンド・ビートと同時期に出てきた新世代UKストリート・ソウルという捉え方をしていた。ヒップホップ/ハウス/ソウル/ファンク/レゲエ/ダブを自由に往来する編集感覚は、いかにもUKらしい実験精神に溢れている。
オープニング・ナンバーの、ダークで荒涼としたムードがヒリヒリと肌に灼けつく、重低音轟くロービート・チューン「Safe From Harm」から、ただならぬ雰囲気が漂っている。ホレイス・アンディのスウィートのヴォーカルが淡々とした曲調に映える「One Love」 、「Blue Lines」はスモーキーで激クールなグルーヴィー・チューンで、抑制されたラップもクールでカッコいい。
ウィリアム・ディヴォーンのメロウ・グルーヴ・クラシックのカバー「Be Thankful For What You've Got」や 、アル・グリーン「I'm Glad You're Mine」をサンプリングした「Five Man Army」などは、ダビーな感触が当時新鮮だった。
殺伐とした地平に荘厳なストリングス・アレンジが舞い降りる「Unfinished Sympathy」、ファンクなリズムがウネるミドル・チューン「Daydreming」、ロウレル「Mellow Mellow Right On」のループが催眠的なグルーヴを生み出す「Lately」、ホレイス・アンディが歌うラストの「Hymn Of The Big Wheel」まで、90年代初頭のUKを象徴する傑作。