young gifted and black
Young, Gifted And Black / Aretha Franklin
 Atlantic '72 

67年のアトランティック移籍1枚目『I Never Loved A Man The Way I Love You』から、クイーン・オブ・ソウルの異名を欲しいままにしてきたアレサ。南部のミュージシャンを起用し、ふくよかなサザン・ソウルの芳香とニューヨーク録音がもたらす都会的なディープ・ソウルの感覚が理想的に共存した60年代の作品は、そのどれもが重要作だが、70年代に入ると、東海岸の腕利きスタジオ・ミュージシャンを起用し、ニュー・ソウルに寄り添った内省的な作品が増える。その頂点と言えるのが本作『Young, Gifted And Black』で、コレは70年代アレサの代表作にしてニュー・ソウル名盤。
ダニー・ハサウェイ、ビリー・プレストン、バーナード・パーディー、チャック・レイニー、コーネル・デュプリー、エリック・ゲイル、ヒュー・マクラッケン、ヒューバート・ロウズなど、当時のアトランティック・ソウルの粋を集めた錚々たる面子が参加、グルーヴィーでソウルフルな演奏をバックに、神々しささえ感じるアレサの歌唱が映える。
荘厳なムードでゴスペル的に静かに昂揚するバラード「Oh Me Oh My(I'm A Fool For You Baby)」でアルバムは幕開け。「Day Dreaming」は微睡み蕩けるような、まさに白昼夢のごとき幻想的なメロウ・ソウル・クラシック。ダニーのエレピ、ヒューバート・ロウズのフルートが美しく折り重なる。パーディーのドラムスがグルーヴを強力に推進するファンキー・チューン「Rock Steady」、ダニーの名唱でも知られるニーナ・シモンの「Young Gifted And Black」は、スウィート・インスピレーションによるゴスペル・クワイアを従えた教会直送の大名曲。ここまでの頭4曲の素晴らしさで既に名盤確定だが、以降も良曲揃い。
ジワジワと感動が押し寄せるバラード「All The King's Horses」、アレサお得意のスタイルのミディアム「A Brand New Me」、「I Say A Little Prayer」同様にバカラック作・ディオンヌ・ワーウィック曲を完全にモノにした「April Fools」、オーティス・レディングを愛情たっぷりにカバーした「I've Been Loving You Too Long」、しみじみとしたピアノ・バラード「First Snow In Kokomo」、ビートルズ「The Long And Winding Road」やデルフォニックス「Didn't I(Blow Your Mind This Time)」、エルトン・ジョン「Border Song(Holy Moses)」もアレサ節に染め上げる。