wake up
Wake Up! / John Legend & The Roots
 G.O.O.D. Music '10 

ジョン・レジェンドとザ・ルーツがコラボレーションしたソウル・カバー・アルバム『Wake Up!』。
レジェンドは、カニエ・ウェストやウィル・アイ・アムらがバック・アップしたメジャー・デビュー作『Get Lifted』は当時気に入ってよく聴いていたが、それ以降は『Once Again』はそれほど愛聴することなく、それ以降はアルバムの購入を見送っていた。が、ソウル名曲のカバー集だというこの『Wake Up!』は、そのニュー・ソウル中心のドストライクな選曲、そしてザ・ルーツ、というかクエストラヴ絡みということで、久しぶりに購入したレジェンドのアルバムだった。
クエストラヴとルーツはこの頃、アル・グリーンやブッカー・T、ベティ・ライトといったベテランのアルバムを、往年のソウル・マナーを尊重しながら現代にアップデートした素晴らしい仕事ぶりが光っていたが、本作でもその手腕を見事に発揮、本作をレジェンドの最高傑作たらしめている。
カーティス・メイフィールド作「Hard Times」からアルバムはスタート。ここではカーティス自身のヴァージョンではなく、オリジナル録音であるベイビー・ヒューイのヴァージョンを参照した、ハードで塩っ辛いファンクに仕上げている。
ユージン・マクダニエルズ作、レス・マッキャンとエディ・ハリスの共演版がオリジナルとなる「Compared To What」もルーツのタイトで乾いたバッキングがカッコいいファンク・ナンバー。ハロルド・メルヴィン&ブルー・ノーツの大名曲「Wake Up Everybody」のカバーは、ストリングスも交えてフィリー・ムードを醸成していく。
アーニー・ハインズ「Our Generation」は、何よりピート・ロック&C.L.スムーズ「Straighten It Out」でサンプリングされたことで知られるが、そのC.L.のラップをフィーチャーするというクエストラヴらしいニクい仕掛け。ダニー・ハサウェイのクラシック・ソウル・ナンバー「Little Ghetto Boy」は、ブラックソートのラップ、レジェンドのビターなヴォーカルが刺さる。
裏ニュー・ソウル名盤、マイク・ジェイムス・カークランドの「Hang On In There」は原曲に忠実なつくりで、この曲を持ってくるあたり、クエストラヴの策士ぶりが窺える。オリジナルは聴いたことがないが、「Humanity(Love The Way It Should Be)」は異色のレゲエ/ダブ・ナンバー。マーヴィン・ゲイ「Wholy Holy」はオリジナルの荘厳さとはまた違った、穏やかな円やかさで包み込む。
ビル・ウィザーズ「I Can't Write Left Handed」は11分超に及ぶ反戦歌。ウィザーズのオリジナルにも肉迫する、震えが来るような名演・名唱。 ラストの「Shine」は唯一のオリジナル・ナンバーで、困難の先にある希望の光に照らされるゴスペル・ソウル。