joey
Joey / Little Beaver
 Cat '72 

マイアミのギタリスト、リトル・ビーヴァーの1stアルバム『Joey』。
ベティ・ライト「Clean Up Woman」をはじめ、多くのマイアミ産ソウルで印象的なギターを披露してきたウィリー・ヘイルが、リトル・ビーヴァーの名前でリリースした本作は、かなりブルージーな内容。ビーヴァーがブルース・ギタリストに影響を受けてきただろうことは想像に難くないが、そのギターとヴォーカルは、哀愁を滲ませつつも重くなり過ぎず、時に軽妙で洒脱さを感じさせる。ここでも顔を覗かせるメロウでレイジーなムードは、次々作の『Party Down』でより増幅されることになる。
オープニングのアルバム・タイトル曲「Joey」は、サザン・テイストのブルージーなスロウ。土臭さとモダンな装いを併せ持つディープ・ソウル「Give A Helping Hand」 、渋み溢れるブルーズン・ソウル「I'm Losin' The Feelin」、「What The Blues Is」はクールに抑制されたグルーヴがジワジワと効いてくるファンク・ブルース。
「That's How It Is」はサザン・ソウル的な旨味が滲むバラード。「Katie Pearl」は豪奢なストリングス・アレンジを従えた11分超の大作スロウ。ラストのボビー・ブランド「Two Steps From The Blues」のカバーは、ブルージーでソウルフルな歌唱が沁みるミディアム・ナンバー。