war
War
 United Artists '71 

LAで活動していた黒人バンド、ナイトシフト。どういうわけかアニマルズのエリック・バードンが彼らを気に入り、自身のバック・バンドとして丸抱え、デンマーク出身の白人ハーモニカ奏者、リー・オスカーをメンバーに追加&バンド名をウォーに改名。エリック・バードン&ウォーは2枚のアルバムを制作し、シングル「Spill The Wine」が大ヒットするなど商業的にも成功を収めた。
しかしながら、両者の連携は長くは続かず、ツアー中に突然バードンが遁走し脱退。その後もバンドはバードン抜きで活動を継続し、ウォー単独での1stアルバムとなる本作をリリース。

バードンとやっていた頃から、ウォーはロック/ソウル/ブルース/ラテンなどを融合したハイブリッドなサウンドを奏でてはいたけれど、そこはやはり、あくまでロック・スターであるバードンのバック・バンドという立場であり、音楽性としてはロックにカテゴライズされるのが妥当だった。
しかし、バードンが去りバンド主導となった本作では、本来ウォーが持っていた濃厚なファンクネス、ドロドロしたブラックネスが剥き出しになった。曲によっては初期ワンネス・オブ・ジュジュにも通じるようなアフロ・スピリチュアル・ジャズな方向性が窺えたりもして、非常に興味深い。

アルバム1曲目の「Sun Oh Son」は、まったりジャジーで寛いだムードで始まる、次作『All Day Music』にも通じるスタートだが、曲途中から徐々に演奏は熱を帯び、ファンキーでグルーヴィーなジャムへと展開していく。
「Lonely Feelin'」はカントリー的な土臭さのある演奏に、JB「I Got The Feelin'」調のヴォーカルが乗る。「Back Home」はノスタルジックな雰囲気のスロウ。
「War Drums」はリズム・セクションの繰り出すヘヴィーなグルーヴ、ドス黒いパーカッションが強力な、アフロなブラック・ジャズ・ファンク。「Vibeka」はドロリと澱んだムードをハーモニカが中和するインスト・ナンバー。ラストの「Fidel's Fantasy」は、ダークなラテン/アフロ成分濃密な長尺ジャジー・グルーヴ。