mystic voyage
Mystic Voyage / Roy Ayers Ubiquity
 Polydor '75 

ロイ・エアーズのジャズ・ファンク/レア・グルーヴ人気盤『Mystic Voyage』。
70年代前半のエアーズは、72年の『He's Coming』を頂点に、『Coffy』 『Red Black & Green』 『Change Up The Groove』など、ニュー・ソウルとジャズ・ファンクをリンクした傑作を連発。
その後、時代の趨勢とともにニュー・ソウル的な内省性は薄まり、徐々に陽性のディスコ・ファンクへと移行していったのが70年代半ばから後半にかけて。75年の本作『Mystic Voyage』は、その過渡期にリリースされた作品。

クールなアルバム・ジャケットやタイトルからは、メロウなフュージョン寄りのサウンドを連想してしまうが、その実、本作はエアーズの作品のなかでも最もファンク度の高いアルバムではないだろうか。
アルバム冒頭の「Brother Green(The Disco King)」は、サブ・タイトルからイヤな予感がするが、アッパーでダンサブルなファンク・ナンバーで、ディスコっぽさもそれほどイヤミではない。アルバム・タイトル曲「Mystic Voyage」は、ヴィブラフォンの澄んだ音色と壮麗なストリングスが敷かれたジャジー・メロウ・グルーヴ。「A Wee Bit」は臭みのある粘っこいミッド・ファンクで、何となくアースの「Tee Nine Chee Bit」みたいな感じの曲。「Take All Time You Need」は女性ヴォーカルのミディアム・ナンバー、「Evolution」はグルーヴィーに疾走するカッコいいジャズ・ファンク・チューン。
2パートに渡る「Life Is Just A Moment」は、ブリブリのベースとドラム・ブレイクがイカしたファンク・ナンバー。グルーヴィーなミドル・チューンの「Funky Motion」、「Spirit Of Doo Doo」は重心の低いミッド・ファンク。ラストの「The Black Five」はクールなジャズ・ファンク・チューン。