secret omen
Secret Omen / Cameo
 Chocolate City '79 

キャメオの最初の3作、『Cardiac Arrest』 『We All Know Who We Are』 『Ugly Ego』 は、このバンド独特のファンク・サウンドの萌芽はそこかしこに窺えるものの、まだ基本的にはPファンクやアース・ウィンド&ファイア、オハイオ・プレイヤーズなどの影響下にあった。それでもアルバムとしては良作と呼ぶに十分な内容で、キャメオというバンドの持つポテンシャルの高さをヒシヒシと感じさせる。
キャメオならではのファンク・サウンド、ユニークな個性がアルバム全編に渡って展開されるようになったのは、80年の5thアルバム『Cameosis』から。以降、数枚に渡って傑作を連発することになる。

4作目となる本作『Secret Omen』は、『Ugly Ego』と『Cameosis』の間、キャメオがステップアップを図る過渡期にリリースされた作品で、キャリアの転機となる重要曲が含まれている。「I Just Want To Be」がそれで、キャメオのオリジナル・ファンク・サウンドが完成を見た傑作ファンク・チューン。ソリッドで切れ味鋭いリズム隊、瞬発力に長けたホーン・セクション、変幻自在に展開するヴォーカル・ワークなど、以降のキャメオ印のファンク・サウンドの特長がここで出揃った。パーラメントで言えば「Up For The Down Stroke」、アースで言えば「Mighty Mighty」のような位置付けの曲で、両バンドがそれ以降に確変状態に入ったように、キャメオもこの曲を雛形として傑作ファンクの量産体制に入っていく。

このような重要曲を含みながらも、アルバムとしてはやや煮えきらない出来。過渡期ゆえか、また時節柄か、ディスコ・サウンドに手を出してしまっているのが、アルバムの評価が芳しくない主因。
アースっぽい軽快なディスコ・ファンクの「Energy」や、軽めのダンス・ナンバー「New York」などもちょっと弱いが、これらはまだいい。問題は「Find My Way」で、白っぽい軽薄なディスコ・サウンドには、まったくキャメオらしさは感じられない。

一方で、汗臭く肉感的なファンク・ナンバーも揃えてある。「Macho」はパーカッションが効いたファンクで、野卑で猥雑なムードがソソる。「The Rock」もワイルドで力の入ったファンク・チューンで、こういった曲にやはり惹かれる。お楽しみのスロウは「Sparkle」。これは円やかなホーン・アレンジが施されたスウィートな名曲で、やはりハズさない。