music of many colours
Music Of Many Colours / Fela Anikulapo Kuti & Roy Ayers
 Phonodisk '80 

アフロ・ビートの帝王、フェラ・クティと、ジャズとファンク/ソウル/ディスコを自在に折衷し独自の音楽を創造したロイ・エアーズの共演盤『Music Of Many Colours』。
一見、あまり食い合わせが良さそうには思えない2人だが、3週間ほど一緒にアフリカをツアーし意気投合、アルバムを録音することになったらしい。80年というと、2人ともややピークを過ぎた頃だと思うが、本作は非常に聴き応えのある傑作。

アルバムはフェラの作法に倣って全2曲。
「2000 Blacks Got To Be Free」は、明らかにいつものフェラのアフロ・ビートとは異なる。早いテンポのダンサブルなファンクで、ノッケからエアーズのヴィブラフォンとヴォーカルも登場し、これは完全にエアーズの世界。エアーズの75年作『A Tear To A Smile』のオープニング・トラック「2000 Black」を大幅に改変して80年仕様に(ディスコ・ファンクのりに)アップデートした感じ。演奏は、当時のアフリカ70とエアーズのバンド(もうユビキティの名ではなかったか)の連合軍。アタックの強いフェラのサックスと、細かく散りばめられたパーカッションが、土着的な臭いを振り撒きながらグルーヴィーに疾走する。

「Africa Center Of The World」はフェラ主導の曲。と言うか、Discogsのクレジットを見る限り、エアーズも彼のバンド・メンバーの名前も無い、完全にアフリカ70の曲。だが、全編に渡って転がるヴィブラフォンはもちろんエアーズによるものだろう。既に独立していたトニー・アレンもゲスト・ドラマーとして参加、ドラムスとベースが繰り出すタイトなアフロ・ビートの上に、ひたすらリフを刻むリズム・ギター、野太いサックス、フェラとコーラスの掛け合いなど、定番のフェラ・クティのサウンドが展開されるが、粒立ちのいいヴァイブの音色が結構効いていて、いつもとは少し違った表情を見せる。
翌年、エアーズはこの曲をディスコ・ファンク調に改変して自身のアルバムのタイトル・トラックとしているが、出来がいいのは断然こちらのオリジナルの方。