bounce rock skate roll
Bounce, Rock, Skate, Roll / Vaughan Mason & Crew
 Brunswick '80 

ニューヨークはブルックリンで結成されたヴォーン・メイソン&クルー。中心人物のヴォーン・メイソンは、ブルックリンの雄、BTエクスプレスのエンジニアとも、あるいはレコ屋の店員とも、はたまたアトランタのラジオDJだったとも言われる人物。いずれのバックボーンであったにしても、聴衆の求める音を嗅ぎ分ける嗅覚に優れていた人だったと思われるが、そのセンスが存分に発揮されたのが、この名義では唯一のアルバムとなる本作『Bounce, Rock, Skate, Roll』。

このグループと言えば、何といっても、オールド・スクールの時代から数多のヒップホップ・トラックにサンプリングされまくった定番ディスコ・ブレイクを搭載した、ファンク/ダンス・クラシックのアルバム・タイトル曲「Bounce, Rock, Skate, Roll」に尽きる。重心低く蠢くベースに導かれて、エレクトリックな質感のカッティング・ギター、ビートを補強するハンド・クラップ、エッジの効いたコンガが相まって、屈強なファンク・ビートが繰り出される。シック「Good Times」を不気味に歪ませたようなこの曲は、ヒップホップのサンプリング・ネタだけでなく、同時代のファンク・ミュージックにも影響を及ぼした。例えば、ワン・ウェイ「Cutie Pie」などは、この曲やザップの影が濃厚だ。

アルバムの他の曲も軒並み高水準で、「Roller Skate」はパーカッションとホイッスルが気分を盛り上げるGo-Goっぽいビートのファンク・チューン。「Cravin' Your Body」は粘着ベース・ラインがグルーヴに纏わり付くミッド・ファンク。「We're Gonna Funk You Up」はクールかつゴリゴリに迫るヘヴィー・ファンク。アルバム中唯一のスロウ「Thinking About You Baby」は、意外に純なソウル・マナーで聴かせるスウィートな佳曲。

再発盤CDにはボーナス・トラックとして、「Bounce, Rock, Skate, Roll」の12インチ・ヴァージョンの他、ファンク・トラックにオールド・スクールのりのラップを乗せた「Jamin Big Guitar」とその別ヴァージョン「Rockin Big Guitar」を収録。