eccentric soul forte
Eccentric Soul : The Forte Label
 Numero '13 

偏執的過ぎるコンピレーションの数々で、酔狂なマニアの支持を受けるレーベル、ヌメロ。
エキセントリック・ソウルと銘打たれた看板シリーズからリリースされた本作は、カンザス・シティーのマイナー・レーベル、フォルテの音源を纏めたモノ。

ここに収録された曲は、67年から80年までと幅広い年代に跨っている。やはり目玉は、ジャケットに写るソウル・シスターNo.1=マーヴァ・ホイットニー。JBレヴュー離脱後に地元カンザス・シティーへと戻り、フォルテ・レーベルのオーナーのエリス・テイラーと結婚したマーヴァは、レーベルの看板シンガーだったと思われ、本作には3曲収録されている。さすがに『It's My Thing』級は期待できないが、ラフなファンキー・ソウル「I've Lived The Life」、JB時代を彷彿とさせるハイトーン・シャウトが炸裂する「Daddy Don't Know About Sugar Bear」、まったりと温かいミディアム「Nothing I'd Rather Be(Than Your Weakness)」など、いずれも好曲。

また、個人的に気になるのが、2曲収録されているエヴリディ・ピープルという5人組バンド。72年にレッド・コーチからアルバムをリリースした、クール&ザ・ギャング・フォロワーの同名バンド(こちらは7人組)と同一とする情報もネットでは見かけるが、実際のところコレはまったくの別バンド。「Tighten' Up」調のグルーヴィーな「Is It Really That Bad」、クールに疾走する「Super Bad」と、B級ながらも抗い難い魅力を放つ。

その他、イナたく臭みたっぷりのローカル・ソウル/ファンクをたっぷり楽しめる。ファンクなドラムを打ちつけるティア・ドロップス「I'm Gonna Get You」、ハンド・クラップとタイコの音がファンキーなファビュラス・リズム・メイカーズ「Mini, Mini Afro Twist」、ヘヴィーなドラムスとベースがトグロ巻くように呻るジーン・ウィリアムズ「Whatever You Do(Do It Good)」、ハイ・サウンドっぽいリズムでどっしりとグルーヴするジェイムズ・ホイットニー「With Fun In My Life」など、やはりファンキーな曲が好み。80年録音のアーバン・ムードのモダン・ソウルのシャロン・リヴォール「Reaching For Our Star」も美味。