step in the arena
Step In The Arena / Gang Starr
 Chrysalis '91 

ギャング・スターの2ndアルバム『Step In The Arena』は当時、『噂のギャング・スター!!』なんていうトホホな邦題が付けられていた。個人的にも、当時その日本盤を手に入れたのがギャング・スター初体験だった。
本作や、ア・トライブ・コールド・クエスト『The Low End Theory』(コレも『理論をブチ壊せ!』というホントにブチ壊しなサブ・タイトルが。。。)は、その当時の日本ではジャズ・ラップなんて言葉でカテゴライズされていて、個人的にはトライブにはジャズと言うよりはファンクな印象を受けたが、本作から確かにジャジーなムードを感じ取っていた。

本作は結構ネタ一発勝負的な感じのトラックが多く、3rd『Daily Operation』、4th『Hard To Earn』と経て完成するDJプレミアのサウンドは、ここではまだ聴かれないが、その習作っぽい手触りも含めて何だか愛着の湧くアルバムで、ギャング・スターでは本作がベストと言うファンも案外多いのではないだろうか。
サンプリング使用されるネタもいちいちカッコよく、ここから元ネタ探しをしてみたりと、自分の音楽の楽しみ方の幅を広げてくれた作品。

アルバム・タイトル曲「Step In The Arena」は、ホーニー・ホーンズ「Four Play」をサンプリング。メイシオ&オール・ザ・キングス・メン「Better Half」のギター・リフをループした「Form Of Intellect」、ポインター・シスターズ「Dom't It Drive You Crazy」ベタ敷きの「Execution Of A Chump」、メイシオ&ザ・マックス「Parrty」をサンプリングした「Who's Gonna Take The Weight?」、ソウルⅡソウル「Keep On Movin'」を使った渋いミドルの「Beyond Comprehension」、マリーナ・ショウ「California Soul」の劇的なストリングス使いが鮮烈な「Check The Technique」、オハイオ・プレイーズ「Pain」「Never Had A Dream」をサンプリングした「Love Sick」、ファンカデリック「You'll Like It Too」の定番ドラム・ブレイクを敷いた「Here Today, Gone Tomorrow」、「Take A Rest」はミーターズ「Funky Miracle」のベース・ライン、マーヴィン・ゲイ「"T" Plays It Cool」のドラム、クール&ザ・ギャング「Give It Up」のホーン・リフ、ESG「UFO」のサイレン音などをイイとこ取り。

JB「Nose Job」をサンプリングした「What You Want This Time?」、ナイス&スムース「Funky For You」の声ネタ使いの「Just To Get A Rep」、ブラックバーズ「Wilford's Gone」をサンプリングしたジャジー・ミドル「Say Your Prayers」、緊張感のあるストリングス・サンプルとスクラッチが冴える「As I Read My S-A」、籠り気味のトラックにグールーのもっさりラップがマッチした「Precisely The Right Rhymes」、クールに疾走するジャズ・ファンク・トラックの「The Meaning Of The Name」など、若きプレミアの非凡なセンスが早くも発揮された良作。