last poets
The Last Poets
 Douglas '70 

路上詩人集団、ラスト・ポエッツの70年の1stアルバム。
パーカッションのみの演奏に、ポエッツによる喋くりが乗るスタイル。と聞くと、単調で退屈なモノになっていそうに思えるが、実際のところコレがめちゃめちゃカッコいい。土着的で乾いた響きのパーカッションは、エッジの効いたビートをグリグリと繰り出し、コレだけで十分過ぎるほどアフロでファンキー。
パーカッシヴに言葉を叩きつけてくるライミングは、演奏と相俟ってスリリングでグルーヴィーなウネりを生み、路地裏の饐えた臭い、ヒリヒリとしたストリートの空気といったものをダイレクトに伝えてくる。ただのポエトリー・リーディングでは全くなく、非常に音楽的であり、とにかくカッコいい音と声の響きは、言葉の意味を理解できなくても(理解できれば尚良いのだろうけど)十分に楽しめる。コレを聴けば、彼らがラップ/ヒップホップのオリジネイターだとされるのも納得できる。

グリッティなビートを刻む「Run Nigger」、ドープなアフロ・ファンクの「Niggers Are Scared Of Revolution」「Black Thighs」、アグレッシヴにライムを叩きつける「Wake Up, Niggers」、呪術的なムード漂う「Jones Comin' Down」「Black Wish」、革命の時は来たれり、Party & Bullshit とアジテートする「When The Revolution Comes」など、アルバム全編に漲る緊張感が堪らない。ヒップホップでのサンプリング使用例も数多い。