come and get me im ready
Come And Get Me I'm Ready / Kim Tolliver
 Chess '73 

テネシー生まれ、オハイオ州クリーヴランドを拠点に活動した女性ソウル・シンガー、キム・トリヴァー。アルバムは70年代に2枚あるようだが、本作『Come And Get Me I'm Ready』は73年の2ndアルバム。
録音はクリーヴランドと、一部はマイアミで行われた模様。キムの自作曲の他、夫でプロデューサーのフレディー・ブリッグス、クラレンス・リードやリトル・ビーヴァーも作曲者として名を連ねている。

コレは、かなりの実力派の歌い手であることがヒシヒシと伝わってくる70年代サザン・ソウルの傑作。キムのゴスペル仕込みのディープな歌唱が見事で、バラードを中心にレパートリーも粒揃い。
アルバムのオープニングを飾る、情念溢れるディープ・バラード「The Other Side Of Town」から圧巻。クラレンス・リード作のカントリー・テイスト滲む「She Don't Know You(Like I Do)」、熱く昂揚する歌唱が見事なアルバム・タイトル曲「Come And Get Me I'm Ready」、「The Way He Used To」も情感迸るスロウ。
「I Need You(Come As You Are) / Drop Whatever You're Doing」は、ニュー・ソウル調のアップ・ナンバーで時代に寄り添ってみせるが、キムのディープなヴォーカルは有無を言わせない。ソウルフルな歌唱に捻じ伏せられるミディアム「Talkin' A Woman's Stand」、リトル・ビーヴァー作でギターも弾いていると思われるブルージーかつファンキーな味わいの「I'm Losing The Feeling」、ラストの「Learn To Get Along Without You」はゴスペル丸出しのヴォーカルで迫るアップ・ナンバー。