skin im in
Skin I'm In / Chairmen Of The Board
 Invictus '74 

ジェネラル・ジョンソン、ハリソン・ケネディー、ダニー・ウッズ、エディー・カスティスの4人(後にエディーが脱け3人)からなるデトロイトのヴォーカル・グループ、チェアメン・オブ・ザ・ボード。
インヴィクタスからリリースした1stアルバム『Chairmen Of The Board』、2nd『In Session』ともに、ホランド=ドジャー=ホランドのプロデュースによる、躍動するデトロイト・ビートに熱くソウルフルなヴォーカルが乗るノーザン・ソウルの傑作だが、ファンク好きとしては4枚目となる本作『Skin I'm In』も捨て難い。

インヴィクタス/ホット・ワックスには、チェアメンの他、バリノ・ブラザーズやハニー・コーンなど、ヴォーカル・グループが多く所属していたが、パーラメントも記念すべき1stアルバム『Osmium』をここからリリースしている。その縁で、レーベル・メイトのルース・コープランドの2枚のアルバムにファンカデリックのメンバーが参加しているが、この『Skin I'm In』にも、エディー・ヘイゼル、バーニー・ウォーレル、ビリー・ネルソンらが関わっている。
どうやら、本作収録曲のほとんどは71年頃に録音されたもののようで、グループのカラーに合わないということで一度はお蔵入りとなった音源を、74年になってチェアメンの最終作としてリリースされたとのこと。ジェネラル・ジョンソンらメンバーの意に沿わない作品なのだろうが、サイケデリックなファンク・サウンドとジョンソンのむせ返るようなヴォーカルの融合はなかなか刺激的。

ハードなファンク・グルーヴに荒々しいワウ・ギターが絡む「Everybody Party All Night」、どっしりとした土臭いリズムのミッド・ファンク「Skin I'm In」(スライとは同名異曲)、クラヴィネットがザクザクと刻みホーン・セクションが噴き上がる「Finders Keepers」などは、当時のパーラメント/ファンカデリックや、スライにも通じるファンク・ナンバーで、文句なくカッコいい。
インストの「Morning Glory」 ~ スライのストーン・フラワー・レーベルから出たジョー・ヒックスのカバー「Life And Death Pt.1」 ~インストの「White Rose(Freedom Flower)」 ~ 「Life And Death Pt.2」と組曲風に展開するくだりも、サイケなファンク・ロック・バンド然とした振る舞いを見せる。
非ファンク曲は、パーカッションが効いたラテン調のミドル「Let's Have Some Fun」、ドラマティックなバラード「Love At First Sight」、ストリングスが壮大に盛り上げるスロウ「Only Love Can Break A Heart」など、従来のノーザン・ソウル色は薄れている。